内容説明
ヒューストンに流れ着いた賭博師。迫りくる破綻、赤毛の娘への愛。ダイスが転がる永遠の一秒―
著者等紹介
トンプスン,ジム[トンプスン,ジム] [Thompson,Jim]
1906年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。油田労働者、ベルボーイなど、職業を転々とする。1942年、初の長篇を出版。1949年、初の犯罪小説『取るに足りない殺人』を発表する。『おれの中の殺し屋』(1952)など、ペイパーバック・オリジナルで作品を次々に発表する。『現金に体を張れ』『突撃』(スタンリー・キューブリック監督作品)の脚本に参加。1977年没
田村義進[タムラヨシノブ]
1950年、大阪生まれ。金沢大学法文学部中退。日本ユニ・エージェンシー翻訳ワークショップ講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tαkαo Sαito
30
アメリカ文学たまーに読みたくなるけど、独特な言い回し、キャラクター、言葉遣いが読んでて心地よくて、日頃日本の小説ばかり読んでる脳のチューニングにもなって良い。 ヒューストンに流れ着いた賭博師(ギャンブラー)迫りくる破綻、赤毛の娘への愛 ダイスが転がる永遠の一秒 「テキサスのふたり」をお供にこの週末は、思考と想像をヒューストンに飛ばして、プロギャンブラーの人生、矜持をゆっくり見届けました。2022/10/23
hikarunoir
14
その手口と親父の仕事が危ういサイコロ賭博もの。かつ相棒とのすったもんだも軸だが、相棒がいる時点で、終盤の啖呵と逆にイカサマ稼業が全編に匂う。2022/11/21
GO-FEET
8
5年前に刊行が開始された文遊社のジム・トンプスン・コレクションも、なんとこれが10冊目! まあ、ある意味快挙!ですよね…… 相変わらず装丁もカッコいいです!2022/08/17
中海
4
あらすじからいくと、そうとうグダグダ作品。ケチなコブ付きギャンブラーのしょぼい日常。しかしジムトンプソンが書くと、普通に成立し普通に読めるし普通におもろい。この人はスタイリッシュに都会的にも書けるし、田舎の閉鎖的も郊外のむなしーい感じも嘘くさくなく書ける人かと。その辺りの原因を考えましたが、「初めから持ってないものを欲しがらない精神」なんではないだろうかな、と。今でいう「とってつけ」がない世界かと。あと、編集者がわかっているので「何この全然内容がない暗い話つまんね」とならないんだよなあ。2022/11/24
ありさと
1
すげー、こういう話をこんなふうに終わらせられるのか! ジム・トンプスンすげー! と興奮してしまった。これはお気に入り。2022/07/21