内容説明
少女奇術師と雪白の翅を持つ鸚鵡、日本と中国に錯綜する運命の糸。
著者等紹介
吉屋信子[ヨシヤノブコ]
1896年、新潟市生まれ。栃木高等女学校に在学中から少女雑誌に投稿。1916年から『少女画報』に連載された「花物語」が女学生の圧倒的な支持を得、ベストセラーになる。1919年、長篇小説「地の果まで」が大阪朝日新聞の懸賞で一等に当選。1936年から新聞連載された「良人の貞操」が好評を博す。少女小説、純文学、歴史小説、随筆と幅広く執筆活動をおこなう。1952年「鬼火」で女流文学賞、1967年に菊池寛賞を受賞。1973年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひとみ
3
杏子は中国の歌妓だった母とともに奇術師一座に身を寄せて鸚鵡を使った芸を披露していた娘。母と死に別れ、冷淡な座長が支配する一座から鸚鵡を連れて逃げ出す。姉貴分のもとに身を寄せ日本にいる父を訪ねるよていだったが、行きの汽車の中で鸚鵡は行きずりの悪漢に奪われる。おまけに母の言い残した住所を訪れると父は死んだと聞かされる。天涯孤独な身となった杏子だが奪われた鸚鵡が思いがけない縁を運ぶのだった。『少女倶楽部』連載小説。善き人と悔い改める人しか出てこないので心安らぐ。解説の通り一度くらい奇術を使っても良かったような。2019/07/25
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