内容説明
『ツィゴイネルワイゼン』『魚影の群れ』『居酒屋ゆうれい』数々の傑作映画で異彩を放つ脚本家五十年の著作を集成。未発表シナリオ收録。
目次
夏の病院
無用者の栄光―映画批評1969~1974
シナリオの根―自作について
美しい人―1991~2016
人外魔境―異能人間たち
犯罪調書
脚本「木乃伊の恋」
脚本「痴人の愛」
著者等紹介
田中陽造[タナカヨウゾウ]
1939年東京・日本橋生まれ。脚本家。鈴木清順、大和屋竺らと脚本家グループ「具流八郎」で活動、『殺しの烙印』(’67)の脚本を共同執筆する。『週刊サンケイ』のルポライター。1970年代から、日活ロマンポルノの中心的な脚本家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
60
『ツィゴイネルワイゼン』や『居酒屋ゆうれい』の脚本家の文集。前半は邦画を中心にまとめられており、当時の映画界に暗い自分としては鈴木清順以外は初めて聞く人ばかりであったが、それでもその当時あった暗い情念のようなものには惹かれる気がする。後半は奇人や奇妙な事件のルポ。こちらも刺青やカニバリズムといった日本の土俗や情念を血で描いたような話ばかり。著者の文体がそれに輪をかけているよう。やはり60~70年代というのはこういう日本の影の一面が改めて見直された時代だったのだな。当時の邦画を改めて見たおしたく思う。2018/02/12
garth
11
「ハルシオンというクスリは、眠剤としても、抗鬱剤としても傑作だと思う。酒のつまみにも、よい。苦味がほどよくて、ウィスキーととても合う。バーボンのロックでハルシオンをポリポリ齧りながら飲むのは、はっきり言って快楽だ」2017/06/07
まさやん80
1
田中陽造さんはあまり文章を発表していないのだが、シナリオライターになる前に「週刊サンケイ」で連載していた風俗記事、映画にまつわる短い文章、そして二つのシナリオからなる。僕にとっては、映画にまつわる短い文章が面白かった。風俗記事は後の映画シナリオに随分影響を与えているなあと感じた。2018/07/23
がんちゃん
0
そうか、こちらの真実(リアリティ)を暴くには、向こう側から覗き見る必要があるってことなんだな。この世のことを知るには向こうの世にいく必要があるってこと。向こうに行ったら行ったで、そのまま帰ってこれなくなることもあるかもしれないけど、その危ういところで田中陽造さんは作業をしてたんだなぁ。2017/06/07
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