内容説明
「空に星があるように」、「今夜は踊ろう」、「いとしのマックス」―数々のヒットを放ったシンガー・ソングライターの嚆矢として、国民的テレビドラマ『バス通り裏』、映画『893愚連隊』、『日本春歌考』の個性派俳優として、自伝的小説『ありんこアフター・ダーク』、ハードボイルドやミステリーの小説家として―多岐にわたる活動の軌跡と、人生の明暗を語る、衝撃の書。亀和田武対談収録。
目次
まわり舞台を見ていた
『バス通り裏』、そして映画俳優へ
空に星があるように
「荒木一郎は夜の帝王」
白い指の戯れ
プロデューサー・荒木一郎
テレビの芝居、映画の芝居
小説家・荒木一郎
対談 ありんこアフター・ダーク(荒木一郎+亀和田武)
来るべき荒木一郎論のためのメモ(野村正昭)〔ほか〕
著者等紹介
荒木一郎[アラキイチロウ]
1944年、東京生まれ。歌手、俳優、作詞・作曲家、小説家。幼少より舞台やラジオドラマなどで活動し、1960年代初頭、NHKテレビドラマ『バス通り裏』での演技が注目される。自作曲と語りで構成されるラジオ番組『星に唄おう』が人気を博し、1966年「空に星があるように」で歌手デビュー、レコード大賞新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
13
宇崎竜童が、「いとしのマックス」の「ゴー」の発声を例示し、荒木一郎の歌唱はすべて鼻歌と称したことがある。その理由が本書を読んで分かった。荒木はチェット・ベイカーの影響を受けている。「自分はワーッ(と大声を出すの)は嫌だ」と語る荒木。若き頃ジャズに親しんだ結果、嗜好に合致するものを見つけたのだろう。2019/10/04
まさやん80
3
荒木一郎へのインタビュー集。これを読んで改めて荒木一郎という才能の大きさを感じた。僕にとっては、映画俳優としての荒木一郎が一番印象的だったのだが、どうしてこんなに才能のある人があまり表に出てこないのだろうと不思議だった。でも、この本を読んでその理由が分かった。と同時に彼の才能の奥深さについてもよく分かった。桃井かおりがやっていたNHK-FMの番組(素晴らしかったんです)の構成も荒木さんだったんですね。ある時代の証言としても貴重な本です。2018/04/06
ますりん
3
560ページオーバーの力作。文遊社編集の方、すばらしい仕事ぶりです。正直なところ、荒木一郎さんと言えば、村川透監督「白い指の戯れ」の、やけに人生の温度の低いスリ役、という認識くらいしかなくて。(実をいうと、たまに小池朝雄さんと頭の中でゴッチャになったりします。すみません。) テレビから映画(しかも当時の5社、をくまなく渡り歩いて、というのはスゴイ)、音楽から文学、プロダクション経営まで、これほど多岐にいろいろやってきた人も珍しい。いやあ、時代の証人かつ真のマルチタレント。一読の価値あり。 2017/03/16
ひげおやじ
1
面白かった。荒木一郎のことは、ほとんどしらないことが、わかった。思わず、「君に捧げるほろ苦いブルース」を聞いてしまった。お薦め。2017/02/11