出版社内容情報
世界中から、銃も、爆弾も、病気もなくなる日のことを祈って、シンガーソングライターのジュリー・ゴールドが、自分の思い出や体験を注ぎ込んで書いた歌。1985年につくられ、世界中からいまだに熱い支援を受けているこの歌に、ジェーン・レイが美しい絵を描きました。子どもにも大人にも手にとってほしい人間賛歌の絵本です。
内容説明
戦争と平和、失望と希望を描く感動的なものがたり。人間らしい世界を願いつづける思いを謳ったこの歌は、珠玉の名曲として多くの人から愛されつづけてきました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
58
この絵本に載っている平和を願う詩は、ベッド・ミドラーの歌声で、繰り返し繰り返し聞きつづけています。そして、歌詞を覚えて幾度も繰り返し口ずさみました。「フロム・ア・ディスタンス」は、1958年にシェリー・ゴールドさんが30歳の誕生日を前に狭いアパートの中で作られたそうです。いつまでも歌い継がれてほしい歌です。そして、いつの日かこの星が絵本の最初のページに描かれているような、神様が遠くから見れば美しいというだけでなく、地に這う私たち自身が美しいと感じられる星になることを願います。
モリー
54
ベッド・ミドラーさんの歌うFrom A Distanceが、私とジュリー・ゴールドさんの初めての出会いでした。ラジオ(NHKラジオ英会話だったかな?)から流れる美しいメロディーと伸びやかな歌声、そして、歌詞の内容は一度聞いたら決して忘れられないものでした。読み友さんのお陰で、この詩に約30年振りに再会しました。かつて、言葉とメロディーの組み合わで世界中に響き渡った平和を願うメッセージが、今度は、言葉を絵に乗せ、世界中の子供たちに届くといいなあ。残念ながら、宮城県図書館では閉架図書となっていました。2020/03/21
ヒラP@ehon.gohon
27
歌詞に絵をつけた絵本です。 ジュリー・ゴールドの曲「From a Distance」を絵本で再現したものです。 ピアノを弾きながら歌い上げるこの曲は、平和への祈りがこめられた、心が洗われるような曲でした。 宇宙から眺めると、青くて美しい地球に、ズームインしていくと、ささくれだったような山が気になりました。 さらに近づいていくと、人々の表情に憂いが刻まれていることが気になりました。 そして、それが戦争による悲しみであることを突きつけられました。 世界には紛争や戦争が絶えないことがわかります。 2022/11/21
ヒラP@ehon.gohon
17
歌詞に絵をつけた絵本です。 残念ながら肝心の曲がピンと来ないので、歌詞に正面から向かいました。 遠くから眺めていると、世界には紛争や戦争が絶えないことがわかります。 遠くから眺めているから、戦火にいる人たちの本当の苦しみは実感としてないのかも知れません。 遠くから眺めているから、歌で平和への道を作ろうと、ちょっと楽天的にもなれるのかも知れません。 それでも、歌は世界を揺さぶる原動力になり得ることを忘れてはいけません。 深みのある絵本です。 まずは曲を探して聴いてみようと思います。2019/05/17
なま
16
★★★☆☆装丁が美しいのでキリスト教の絵本かと思ったが、90年代にグラミー賞最優秀曲が絵本になっているらしく、戦争と平和、失望と希望を描く物語らしい。サクッと読めてピンと来なかった為、曲も聴いてみた。大空からワシが俯瞰しているイメージの曲。何度も繰り返される「遠くから見ると」に着目して読むと、その言葉に続く「私たちは楽隊」という箇所に軍隊や戦闘機が描かれていたり「のどかな音色」では町が破壊されている。あぁ、これは絵本は平和と希望を訴え、「近くから見ると」に読み換えると惨劇と絶望も訴えているんだ。5分。2019/09/13