内容説明
本書は、昭和36年から平成元年に書かれた著者の、「文学」の原郷を語るエッセイ集である。ここには、著者の文学へのなまの心情が熱く露呈され、誰にでもわかりやすく書かれた読書論があり、作品論があり、作家論がある。
目次
第1 読書と人生(体験的読書論への試み―私の読書遍歴前史;読書雑記)
第2 古典と旅(古都の冬―中世幻象;詩仙堂の記―丈山憧憬;句碑逍遙―芭蕉と文章;佐渡と明治の漢詩人・大久保湘南)
第3 江戸の芸文(江戸ア・ラ・カルト;西鶴;亀田鵬斎における風狂と自由)
第4 近代の作家と作品(永井荷風;折口信夫;横光利一―「蠅」の構造;堀辰雄;田宮虎彦―お遍路さんの祝ぎ歌「足摺岬」)