内容説明
ビハーラ医療団代表としての活躍は学位論文『親鸞の生と死』(増補版)の刊行など多くの業績に結実し、著者はいわゆる“死生学”研究の第一人者として江湖に知られる。実はこれらの研究は応用分野であって、主要な専攻分野は“真宗学”研究であった。本書は、その主な専攻分野である真宗学に関する論文のうち近年発表した9論文と評価された4論文に英文論文1本を収めた、待望の学術論文集。
目次
1(「得無生忍」による生死の超越―曇鸞の課題と『観経』理解の一つの視座;法然と南都浄土教―善導『観経疏』の受容をめぐって;「信能入」と「疑所止」の往生論―源信・源空・親鸞の教系から)
2(親鸞教学における「諸仏」の地位;親鸞の「信心仏性」について;真門における「行」「信」の意義;「前念命終終 後念即生」考;「転」と「即」―親鸞の他力救済の内実;親鸞における神祇の「不拝」と「不捨」について)
3(親鸞における否定的側面と方便―『歎異抄』を発端として;慈悲の「かわりめ」考―『歎異抄』第四条試解;『観無量寿経』所説の三福と『歎異抄』について;『歎異抄』の「右斯聖教者…」の付文と禁書説について)
4(One’s mind is totally free in the Pure Land―Learning from the “Meditation Sutra”)
著者等紹介
田代俊孝[タシロシュンコウ]
1952年滋賀県生まれ。大谷大学大学院博士後期課程満期退学。カリフォルニア州立大学客員研究員、同朋大学助教授、教授を経て現在、大学院文学研究科長・教授。名古屋大学医学部生命倫理審査委員・同講師。博士(文学)。ビハーラ医療団代表。日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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