内容説明
美の女神ヴィーナスの息子アエネアースが、ギリシア軍の木馬の計によって炎上するトロイアを脱出し、イタリアのティンベル河畔にローマを建国するまでの苦難と冒険に満ちた「イリアス」「オディセイア」に並ぶ大ロマン。
目次
第1巻 カルターゴーへ着く
第2巻 アエネアースの回顧トロイア陥落
第3巻 アエネアースの回顧(続)―トラキア~デロス~イタリアへ
第4巻 女王ディードーの悲恋
第5巻 亡父の霊に競技会を捧げる
第6巻 冥界に父を訪ねる
第7巻 ティベル河畔に上陸
第8巻 ルトゥリー族の抵抗
第9巻 トロイア軍の基地包囲される
第10巻 激闘 両軍の勇士らが戦死する
第11巻 休戦、戦死者を埋葬 戦闘再開 女軍の到着
第12巻 両雄の対決 トゥルヌスの死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
57
多分、英語版からの翻訳。訳の微妙さはこの翻訳者さんのイリアスで知ってたけど、岩波版が入手できなかったのと、なによりわかりやすさを重視してこちらを。ギリシャ名、ローマ名の表記や、注釈の入れ方もセンスよくて物語を壊さない。その分、神話としての格式とか情緒はないけど、読みやすさは太鼓判。構成やエピソードが思った以上にホメロスだった。模倣というか対抗している感じ。2023/08/05
Mana
8
ル・グィンのラウィーニアの文庫化に合わせて原典も読んでみたくて手に取った。本当は叙事詩のようだから、物語風の文章になってるのは元とは違うのかもしれないけど、おかげで読みやすかった。前もって分かっていた通りラウィーニアの言及は少ないけど、カルタゴの女王ディードとか、トゥルヌスの妹で水のニンフのユートゥルナとか、女性キャラも思ってたより多かった。ギリシアの神様も出てきて、半分くらいは神々の話って印象。2020/09/15
きりぱい
4
トロイアを脱出したアエネーイス一行がイタリアを目指し、あとはローマを建国するであろうところまでの話。その道のりを、すんなり行かせるものか!と天から憎々しげに見ているのは女神ユーノー(ヘラ)。対して、自分の子を加勢せずにはおれないのが女神ウェヌス(アプロディテ)。片方が邪魔をすれば片方は助け、収める肝はひとえにユーノーの怒りを鎮めることなのだけど、鎮まると多彩な冒険もなくなるわけで、そもそもトロイア戦争からして女神たちの所業・・感情、命ともども神に弄ばれる人間はかなし。散文訳なので読みやすかった。2011/02/11
さぼさん
3
全ての西洋文学の基礎.悲恋あり,冒険あり,戦いあり...最高のエンターテイメント大作.2010/03/25
ごろつきねこ
2
むづかしいという訳ではないけど、やたらと読むのに時間がかかってしまった。誤字脱字結構あります。イタリアに上陸してからの方が実は長くてびっくり(もっとあちこちさまようお話かと思ってた)2010/02/17