内容説明
本書は、四十一年の生涯をあげて「一貫の道は心の本体にして」「心の本体は説楽(已むに已まれぬよろこび)なり」という、「万劫不壊の古郷」に帰家隠坐、どっしりと肚をすえた、赤肉団上一無位の真人中江藤樹の畏るべき学風を研究するものである。
目次
第1章 人生への出発
第2章 致仕帰郷の問題
第3章 藤樹学の本質的特色
第4章 立志の根源的重大性
第5章 立志と師友との関係
第6章 立志の核心「万劫不壊の古郷」
第7章 対算の意味とその重大性
第8章 財貨・色欲・名利・長寿と明徳
第9章 真志と仮志
第10章 「正真の学問」
第11章 藤樹学の基本構造―「本体」と「工夫」
第12章 中江藤樹の孝道哲学―「至徳要道」「全孝の心法」