出版社内容情報
不思議な力を持つ敏腕メイドと、不器用な軍人と養い子の父娘(おやこ)との交流を描くハートフルストーリー。精霊信仰の息づく地で過ごす、冬のひと月の物語。
内容説明
妖精の姿を見ることができるメルヴィは、各地の御邸を転々としながら働く派遣型のハウスメイド。今回の仕事は、冬の休暇を別荘で過ごすためにやってきた軍人アダム・スペンサーと、養い子ケイトリンの身の回りの世話をすること。契約期間は一か月。何人ものメイドを辞めさせてきたという癇癪持ちの少女も、どうやら妖精の姿が見えているようで―。感情を表に出すことが不得手な軍人とその養い子の少女と、他人の心の声が聞こえてしまう不思議なちからを持つメイドが、精霊信仰が息づく地で過ごす、冬のひと月の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
47
今はメリーポピンズしか思い浮ばないが子供の頃に読んだ懐かしい思い出が一気に噴出した。そりゃねぇ60年以上前に読んだ本の名前が一杯覚えていたら私は天才婆やでとぼやきながら。人と違うものが見えるそれだけで親から捨てられたメルヴィーと人の心が読めるコルトはセーデルホルムの魔女ロサに育てられた。ロサ亡きあと冬の休暇を別荘で過ごすためにやってきた軍人アダムと、養い子ケイトリンの身の回りの世話をメルヴィーが。子供の頃読んだ本や読んだ時間が今の私の老後の過ごし方と同じ。いい悪いは別にしてほんが読めるだけ幸せなんでしょね2024/01/20
てみさま
15
楽しく読み終えて、やはりファンタジーが大好きだと再認識。幼少の頃から、ここではない何処かに憧れていたので(空想することが現実逃避の手段だった)人の姿になれるケルピーに誘われたら付いて行ったかもしれないな。2024/02/21
nishiyan
15
冬の休暇を別荘で過ごす傷痍軍人アダムと養い子ケイトリンの身の回りの世話を一ヶ月担当することになった派遣型ハウスメイドのメルヴィ。癇癪持ちのケイトリンは自分と同じで妖精の姿を見ることができるようで…という物語。ふんわりしながら残酷さも隣り合わせの世界観は心に傷を持つ三人の再生譚に相応しく、不器用なアダムと打ち解けたことから、特異な能力と彼への想いに揺れるメルヴィがようやく帰るべき場所を見つけたところは感動的だった。老執事ポールの活躍が光る後日譚は秀逸で笑ってしまった。もう少し彼らの物語を読みたいと思った。2023/08/14
大島ちかり
11
安心して読めるファンタジー。 自分も同じではないかと思わせる。2023/12/24
sawa
5
Kindle Unlimited。面白かった。装丁も含めて児童文学っぽい雰囲気がめっちゃ好み。妖精の世界観も興味深かった。小学校高学年から中学生とかに最適?かと思いきや上品に下ネタが書かれていて笑ってしまった。続編があれば読みたいレベル。2024/01/10