内容説明
現在もっとも先鋭な3人の表現者たちとの白熱の議論を通して浮かびあがる、人間に限りなく身近で遠い他者=“動物たち”の仮象と本質。
目次
1 動物論のための「アニマルズ」小論
2 人間、この猟奇的なもの―社会学者、大澤真幸との対話(こどもとしての動物;恋人としての動物 ほか)
3 擬態の文学―小説家、古川日出男との対話(動物の小説;血統への憧れ ほか)
4 毛皮を脱いで走る犬―詩人、管啓次郎との対話(動物のことは詩人に訊け;その猫は、メタファーではないのか? ほか)
5 私は「誰」を食べているのか―サリンジャーの短篇「フラニー」を誤読する(喋ること、食べること;クレアの妊娠 ほか)
著者等紹介
波戸岡景太[ハトオカケイタ]
1977年、神奈川県に生まれる。慶應義塾大学大学院後期博士課程修了、博士(文学)。ネヴァダ大学リノ校客員研究員を経て、明治大学理工学部総合文化教室准教授。専攻、アメリカ文学、文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コウみん
1
いろんな観点から「動物」を語る。 「動物」とは一体何のか。そいつらはどんなモノなのか。 最後のサリンジャーのチャイルドアダルトを読み、動物の中に私たちが存在している気がした。 とても微妙な内容だったが、面白かった。2021/08/23
ハチアカデミー
0
文学・詩学・社会学というフィールドにおける「動物」をめぐる対話集。大澤真幸とは、コミュニケーションの問題としての「動物/人間」の考察、ナチス政権下で「ムーゼルマン」と呼ばれた人々が「動物」として「見えてしまうこと」の考察がなされ、動物に対して「隣人」としての感覚を持てるかどうかの重要性を指摘される。作家である古川氏との対話では動物を描くことのの可能性が、詩人の管啓次郎との対話では詩における動物表象が、それぞれ考察されていく。「批評の役割は、人間の行動に抑制をかけること」という管氏の言葉が印象に残る。2015/07/02
rinrin
0
【BOOK-143】!!!!!!!2012/06/10
ぽんた
0
社会学や文学の視座から動物というものについて語った複数の対談による本。正直、文学批評的なものの分からなさが残った。 人におけるバーチャルな第三者の想定や「隣人」、食べるという行為の意味に関する考察。事後的に生み出されるものとしてのふるさとなど部分部分では新しく得られる知見もあって面白かった。2019/01/12
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