怪談異譚―怨念の近代

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怪談異譚―怨念の近代

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784891767402
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0095

内容説明

江戸時代より語り継がれてきた「怪談」は、日本の国民国家形成の過程でどのように変容し、時代の「闇」を描き出してきたのか?円朝や漱石から新発掘の文学作品にいたるまで、さまざまな資料を博捜し、「怨念」に現実突破の契機をみる異色の書き下ろし評論。

目次

1 近世怪談と合理主義(「闇の克服」という実用性;「理外の理」の解明;前近代の合理主義)
2 開化期怪談の苦闘(文明開化と怪談の新たな方向;明治の百物語・怪談会;円朝と「神経」;『真景累ヶ淵』の神経病;「神経病」の現象学;「狐狸」にみる“前近代合理性”;「開化」の思想ぎグレーゾーン)
3 相対化される近代(隠された怨念;亡霊たちの言葉;“近代”と“反近代”;夏目漱石と超自然;甦る“闇”の力;「狸」はどこに)
4 開化と戦争(怪談百物語本、最後の光芒;「器械」仕掛けの「船幽霊」;植民地戦争の陰に;「船幽霊」の戦略;怨念の変質;隠蔽された戦争)
5 怨念の再発見(平和教材としての怪談;「恐怖」と戦争怪談;怨念の火)

著者等紹介

谷口基[タニグチモトイ]
1964年、東京都に生まれる。立教大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、早稲田大学文学学術院非常勤講師。専攻、日本近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

15
幕末から現代に至るまでの怪談の変遷。怪異による社会的装置から自然科学によって怪異が衰退してしまう転換期を妖怪ではなく、怪談に焦点を当てていて興味深かったです。紹介された怪談の中には読んでいないものもあり、読みたくなります。社会の動乱や急激な転換に対処できない民衆の代弁として、または戦争の悲劇を後世に恐怖を媒介に伝える役割として怪談は変化していきました。口裂け女などに代表される都市伝説は怪談としては異様であるという論は妖怪研究者が都市伝説の妖怪を認めない意見が分からなかったのでやっと納得できました。2011/06/25

mittsko

5
近代日本文学研究の一冊。さまざまな怪談のなかに、著者が見出すのは、明治維新・士族反乱・文明開化によって出来上がっていく明治の権力体制が、抑圧し消し去ってしまったもの、そして、太平洋戦争における膨大な数の死者たちの無念怨念に対する、戦後におけるその忘却の奔流という「受難」とそれへの「抵抗」である。特徴的なのは、1990年代から今日までつづく実話怪談、ホラー小説の盛り上がりにまなざしを向け、そのプレイヤーたちに怪談の真価の所在を訴えかけること。こうして本書は文学史にとどまらず、今日性と将来性を企図する。2023/08/21

腹ぺこ熊さん

3
全体的に論が甘いというか、雑なような気がする。でも、戦争の伝承と怪談という視座はおもしろい。ここに絞った研究を読んでみたいかも。2010/01/15

ekura

2
圧倒的に面白い。実話怪談の系譜に大正・昭和初期の変格探偵小説を考えなくてはと思った。民話と戦争と怪談の第五章は、野村典彦さんの民話ブーム論とすり合わせてみたらどうなるだろう。2009/10/21

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