全体主義芸術

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  • サイズ A5判/ページ数 602p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784891766085
  • NDC分類 702.06
  • Cコード C0070

内容説明

独裁者たちの嗜好あるいは民族文化的伝統の枠組みを超え、あらゆる全体主義国家に共通して出現したスタイルとそのメカニズムを、ヒットラー、ムッソリーニ、スターリン、毛沢東の統治下の事例を横断しながら検証する。

目次

第1部 プロセス(モダニズムと全体主義;モダニズムと全体主義リアリズムのはざまで;言葉から行動へ)
第2部 作品(パリでの出会い―一九三七年とその後;現在、過去、未来―遺産と伝統;機能と言語;構造;建築と様式;ベルリンでの出会い―結び)

著者等紹介

ゴロムシトク,イーゴリ[ゴロムシトク,イーゴリ][Голомшток,Игорь]
1929年、モスクワ生まれ。モスクワ大学美術史学科卒。美術批評家、美術史家。モスクワ・プーシキン美術館研究員(1955‐64)、インダストリアル・デザイン研究所研究員(1964‐68)、モスクワ大学講師(1964‐68)。1965年、シニャフスキイ・ダニエル裁判での証言を拒否したために逮捕され、強制労働半年を課せられて、技術美学研究所で勤務。1971年プーシキン美術館に戻るが、72年イスラエルに出国。現在ロンドン、オックスフォード在住。オックスフォードや他の大学で文化史を講じたり、BBCで勤務するかたわら、『シンタクシス』、『コンチネント』、『22』、『А‐Я』などに評論を発表。スタンフォード大学客員研究員(1985‐86)、ハーバード大学客員研究員(1988‐89)

貝澤哉[カイザワハジメ]
1963年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。早稲田大学文学学術院教授。専攻、ロシア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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zumi

5
実際にはないもの(アトム化された大衆)を作り出し、言葉ではなく行動(暴力)による統制を行い、フィクションとしての社会を構築するーー全体主義国家における芸術を考える一冊。イデオロギー的には何故か対立していた社会主義国と国民主義・ファシズム国家の芸術は類似し、かつ時代が集中していることに目を向ける。ポイントは多数あるが、注意しておきたいのは全体主義芸術が既存の社会関係を解体し、フィクショナルな幻想を作り出すために、保守的な擬古典を越えて、極めて脱個性的なものとなる点だ。訳者あとがきも、とてもためになる。2014/02/10

工藤 杳

0
大部だが、全体の論旨はわかりやすく、ずっと同じことを言っている。すなわち、ナチスのドイツとスターリンのロシアの親和性・類似性だ。それは次の言葉に要約される。「全体主義文化の魂そのものが、彼ら[スターリンやヒトラー]の口を通して語ったのだ」(502)。全体主義の魂とはなにか、をめぐった力作。2016/12/16

毒モナカジャンボ

0
基本的にはナチスとソ連の芸術政策と成果物が似通っているという話(中共はあまりに言及が少なく、ムッソリーニはグッダグダなので)。全体主義芸術はイデオロギーを設定し(それは実現すべき目標でありながら同時に現実として表現される)、それを実作に移すための組織を形成させ、容認できない芸術へのテロルを行う。「形式において民族的、内容において社会主義的/英雄的」といっていい初期の体制が、どんどん弾圧したはずの様式を取り込み、平然と折衷主義を掲げるようになる。ローマの影響すごい。歴史の到達点・新しい人類として永遠を望む。2021/03/12

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