内容説明
多数の記録/証言で辿る、「生」と「死」と「音楽」の全貌!生い立ち、ジャズとの出会い、プロとしてのデビュー、マイルス・デイヴィスとの活動、伝説のファースト・トリオ、幾多のセッション、コンサート、多くのミュージシャンとの交流、ドラッグとの関わり、そして早すぎる死まで、その生涯と音楽の変遷を、克明に辿る。未公開写真、詳細ディスコグラフィー収録。
目次
1 Birth of the Sound(プレインフィールド出身の少年;スイング・ピアニスト ほか)
2 The First Trio,1958‐61(マイルスからの誘い;エヴリバディ・ディグス・ビル・エヴァンス ほか)
3 On the Road,1961‐77(ムーンビームス;自己との対話 ほか)
4 The Last Trio,1977‐80(リフレクションズ・イン・D;二十四日で二十一都市 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルンブマ
3
"彼(=ウィリアム・ブレイク)は民族詩人のようだが、その単純さが彼の詩を芸術の域にまで高めている。飾り気のないもの、本質といったものが重要なことなのに、それを表現するときには往々にして複雑にしてしまいがちだ。音楽の技術にも同じことがいえる。愛、興奮、悲しみといった簡単な心の動きを表現したいと思うのに、技術が障害となりがちだ。本当は自分の感情や考えを伝えるための突破口となるべき技術も、そうなると台無しだ。偉大な芸術家は必ず物事の核心にたどり着く。2019/05/29
Nunokawa Takaki
2
最近この人のアルバムをよく聴く。あまりジャズのことは詳しくないけれども、そんな僕からしてもこの人の演奏は聴けば聴く程すごいと思ってしまう。世の中に天才はいるが、光には影があるように、彼の場合ドラッグに頼ることでピアノに全霊を注いでいた。著者がピアニストなだけあり、奏法の独特な描写は若干退屈なものがあったが、今一度ビルのアルバムを聴くと、ああこうやって弾いていたのだなというのがうっすらと見えてくる。2015/09/12
KS
2
もはやビルエヴァンス事典。アルバムを聴きながら、その時期のエヴァンスの様子を読むというのもまた一興。2012/08/03
meg
1
読了を間近に涙が出た。 ビル・エヴァンスの背中をみたような気がした。 これからも彼の音楽を聴き、愛していきたい。2023/02/14
ラム
1
最愛のピアニスト、偉大な芸術家の肖像 伝記的事実については、今更言うまでもないが、本書はさらに詳細に生涯を追う 著者は13歳でエヴァンスに目覚め、終生変わらぬ愛情を注いできた 象徴的なのは本書刊行を見届けたように亡くなっていること 自身もコンサートピアニストで、その奏法を緻密に分析 作曲も確固とした構成で理論を重視する特徴をよく表しているが、聴くと詩的な美しさだけが感じられると 「私が興味あるのはジャズを演奏する楽器じゃなくて、ジャズを演奏する精神なんだ」 何章かの表題にアルバムタイトルが鏤められ印象的2005/04/06
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- 和書
- おさるのしま