出版社内容情報
架空のラビの贋の注釈と引用という遅延を通して、《ユダヤ人》たることを巡る無数の問いを問う類例なき文学の特異点、《問いの書》三部作の完結編。「過去十年フランスで書かれたものでジャベスのテクストほど独自なものはない」(デリダ)。
内容説明
流謫の民として無数の災厄を呼び寄せずにはおかないユダヤ人たることを巡る無数の問いを、架空のラビによる贋の注釈と引用という遅延を通しつつ、サラとユーゲルと呼ばれる恋人たちの愛と絶望の物語へと昇華させる類例なき、文学の特異点。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いやしの本棚
9
『問いの書』を読んだ時にも「一読しただけでは理解の及ばない」と書いた。この本も第一部は、お?意味わかるかも?と錯覚したものの、第二部からはまたも言葉の迷宮の中で彷徨うことに。ジャベスの本は、すべては余白に書かれている、というような書き方なので、訳者によるジャべス素描からも、余白を読むための基礎的な知識が圧倒的に足りないことを感じた。「希望は次のページにある。本を閉じてはいけない。」/「私は本のすべてのページをめくったが、希望には出会わなかった。」/「希望は、多分、本なのだ。」―55-56ページより 2017/09/19
ドミニク
0
★★★★☆2013/06/19