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内容説明
1955年2月のある日,荒天下のカリブ海で、コロンビア海軍の駆逐艦から数名の水兵が海に落ちた。全員が絶望視されていたにもかかわらず,10日後、1人の水兵が瀕死の状態で母国に漂着した。太陽に焼かれ、鮫と闘い、友人の霊と語り、筏に自らを縛り付け、人喰い人種の島を恐れ、巨大な海亀に出会いつつ、極限的な飢えと渇きの果てに祖国に生還した彼を待ちうけていたものは…。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
45
遭難し、一人、大海原に放り出された男が救助されるまでの十日間の記録と回想。鱶との生存を掛けた戦い、飢えの為に船乗りにとって道標ともなる鷗を殺してその死骸を狙う鱶に奪われない様に喰らいつく様が生々しく、迫る。現実の一部をフィクションに仕立てることで冒険小説的なノンフィクションとして確立する素晴らしきリーダビリティに脱帽。個人的に印象に残ったのは帰還後に一時、英雄視されて困惑する所により一層の人間味を感じます。2014/06/28
マリリン
33
孤独な海の世界に浸りたくなり再読。内容はあまり記憶に残っていなかった。過剰積載も原因だったのか、乗っていた船が遭難し、10日間海を漂流した様子は、鷗を抱いて夜を明かしたシーンや、頭髪を愛撫するようにつつくシーン等は、良かったものの、心地よい良い読了感を得られなかった理由は、解説まで読んでしまったからだけではない気がした。2019/09/20
神太郎
27
新聞に掲載されていた本書。今後の展開を予感させる序盤。船から落ちてそこから筏での10日間の海上生活。まるで「老人と海」を彷彿とさせる海上シーン。大きな事件はないが、繰り広げられる自問自答と生の渇望と死への絶望。ここは展開がハラハラさせられる。救出されてからはやや駆け足ながら事の顛末が告げられる。陸地についてからのちぐはぐな感じに疑問を持つもそれも巻末の著者の言葉と解説で納得。ストーリーテリングがとても上手くペース配分無視で一気に読み込めた。短編だが社会情勢も織り交ぜ読ませる一本にしっかり仕上げている。2019/10/03
Quijimna
11
これがあのガルシア・マルケスか、と思わせる1冊ではある。10日間の絶望的漂流の生還者から、その極限状況を聞き出してたんたんと描写している筆致はすばらしいが、でもガルシア・マルケスなの、という気は最後まで残る。でも巻末を読むとその背景がわかり、なるほどこれもまた時代と切り結んだ彼の代表作のひとつだなと納得する。 それはともかく漂流譚は、ぼくも人生がんばろうという気にさせてくれる。疲れている時は特に。★★★★☆2015/09/03
うえうえ
10
マルケスにもこんなありきたりなストーリーのがあるんですね。それがまず新鮮。それでもやっぱりマルケスだな、と思わせる。緊張感があり、抑制された文章が充分面白い。でもマルケスだからきっとラストに何か用意してくれているんだろうと期待したが。やっぱりどうしても百年の孤独とか族長の秋とかに比べてしまうと劣る。先が読めてしまうのでいちいち章の題名はいらないと思う。2018/12/18
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