内容説明
2011年3月11日、宮城県石巻湾に面した松島基地を襲った大津波は全18機のF‐2Bを押し流した。精密機器の塊である戦闘機の修復は難しいと思われたが、複座型F‐2Bはパイロットを養成するために、なくてはならない機体だった。ただちに「チーム松島」が結成され、“海水漬け”状態からの修復作業が始まり、13機の復活が決まった。この前代未聞のプロジェクトはいかにして成功したのか?知られざる奇跡の舞台裏を政治、自衛隊、民間企業のキーマンたちが明かす!
目次
第1章 地震発生!
第2章 松島基地の戦い
第3章 「チーム松島」始動
第4章 F‐2B復活プロジェクト―三菱重工業小牧南工場
第5章 エンジン修復―IHI瑞穂工場
第6章 蘇った松島基地
第7章 エンジン復活の瞬間
第8章 世界でも例のない仕事
第9章 F‐2B、松島帰還!
著者等紹介
小峯隆生[コミネタカオ]
1959年神戸市生まれ。2001年9月から週刊「プレイボーイ」の軍事班記者として活動。軍事技術、軍事史に精通し、各国特殊部隊の徹底的な研究をしている。日本映画監督協会会員。日本推理作家協会会員。筑波大学非常勤講師、同志社大学嘱託講師
柿谷哲也[カキタニテツヤ]
1966年横浜市生まれ。1990年から航空機使用事業で航空写真担当。1997年から各国軍を取材するフリーランスの写真記者。日本航空写真家協会会員。日本航空ジャーナリスト協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おっくー
10
衝動買いした本。3.11で被災した松島基地のF-2Bを修理する話。複座のパイロット養成の機体が使えないことの影響や、航空機の整備する方々に頭が上がらない本でした。空自の勉強にもなりました。2017/08/06
buchi
1
東日本大震災で被災した戦闘機『F-2B』が修復されるまでの話。もう少しメカニカルな修復の詳細が知りたかったが、そこは国家最高機密なので、ね。それよりも松島基地の隊員を初め、各省庁、政治家、関連企業の冷静な判断と決断、技術力と情熱があったことで成し得た結果なのだなぁとつくづく感じた。廃棄となった5機の機付長さんはさぞ残念だと思うけど乗り越えて欲しい(隊員さんは強いのでもうきっと乗り越えているはず)。次期戦闘機の純国産化の道は閉ざされたけど、日本の航空産業は是非もう一度頑張って欲しい!2018/04/18
犬好き 悠々
0
東日本大震災で再起不能かと思われた松島基地。だがこうして地元の方の光に戻った。多くの犠牲や苦労があったがこうして空を再び見上げる姿を見られて嬉しいだろう。2021/01/11