内容説明
1つの小さな土地をめぐる2つの民族運動の戦い。現代で最も複雑な、アラブ対イスラエル悲劇の紛争全史!
目次
アラブの反乱(一九三六~三九年)
一九四八年のアラブ・イスラエル戦争
休戦期の戦争(一九四九~一九五六年)
シナイ戦争(一九五六年)
水資源戦争(一九六〇年代)
六日戦争
消耗戦争(一九六九~一九七〇年)
ヨムキプール戦争
不正規戦(一九六〇~一九八五年)
ガリラヤ平和戦争(一九八二年)
パレスチナのインティファダ(一九八七~一九九一年)
防盾作戦(イスラエル・パレスチナ紛争二〇〇〇~二〇〇三年)
著者等紹介
バルオン,モルデハイ[バルオン,モルデハイ] [Bar‐On,Mordechai]
ベンツビ(第2代大統領)研究所幹事、ワシントン平和研究所及びベングリオンセンターの各主任研究員、ピースナウ運動指導者。シナイ戦争時ダヤン参謀総長副官、国防軍教育総監、国会議員等の要職を歴任
滝川義人[タキガワヨシト]
ユダヤ、中東軍事紛争の研究者。イスラエル大使館前チーフインフォメーションオフィサー。長崎県諌早市出身、早稲田大第一文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さっきぃ☆
1
イスラエル。人口800万人の小さな国でありながら、幾度となく周囲のアラブ国家からの侵攻を撃退し、テロリストの脅威から国民を防護し続けている国家。国民意識の根底には国を終われ世界に散らばり流浪の民になったことと、人種抹殺の危機に晒された記憶があり、それが強固な国家防衛の意志に表れている。そんな国家を研究したく選んだ一冊目。軍事作戦に焦点を当てて解説しており、理解が非常容易。脅威の質の変化(国家からテロ)に対応しつつ、政治・軍事がいかに対処したか。日本も周囲に脅威を抱える国家として見習うことが多くあると思う。2018/12/02
hurosinki
1
往々にして日本ではアラブ寄りの視点に偏りがちのイスラエルにまつわる闘争を、なるたけ中立性を意識して叙述。割と分厚い本ですが、そうなった理由は個々の戦争を深く書いたから、というよりも建国前の入植段階のいざこざからインティファーダまで手広く時代を取り扱ってるからといえる。なので個々の戦争で扱われた戦術や兵器なんかは一切といっていいほど(特に正規戦に関しては)情報が無いです。どちらかというと政治劇や戦略形成がメイン。2019/05/03
みかん缶詰
0
完全に反アラブ的な視線から書かれている本。読んでいたらアラブが悪いと洗脳されてしまうそうなくらい、臭いものには蓋をした記述をしている。そもそもバルフォア宣言の裏で勝手なサイクス・ピコ協定を結んでいたアラブ社会に対する理不尽さなんてみじんも触れていない。アラブ人が野蛮で統率力がないのに、世話をしてやっている視点で書かれている。ある意味、凄く白人的な本でこういう視点で見ているんだなとよくわかる。都合の悪いことは一つも書かれていないので、ある程度歴史に詳しくないと変に偏った歴史を信じてしまうだろう。2022/03/29
畝傍
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第二次大戦より前、イギリスの委任統治領だった頃からの経過がずっと積み重なっており、「サイクス・ピコ協定」のみが原因で無い事が判る。 また、中東では欧州や日本では大戦後行われた再移住(A国の喪失領土在住者が新しいA国国境内に移住する)の概念が無く、戦争が終われば国境如何に関わらず元の土地に戻ることからの難民発生等、様々な視点を提供してくれる本だった。2018/02/28
h t
0
報復攻撃として軍事目標を攻撃すると事態が深刻化するから、女・子供・老人の住む村落を攻撃するのが有効ってのがユダカスの畜生感が前面に出ていてほんと好き。2018/01/14