内容説明
コスト削減を目標に導入された「競争入札制度」が日本の国防力を弱めている―防衛装備品はコスト以上に、要求性能を満たすことが重要だが、現行の調達制度では研究開発に熱心な企業が価格競争で敗れてしまう。このままでは十年を経ずに日本の防衛技術力は取り返しのつかないほど弱体化するだろう。大手企業から町工場まで、生産現場の声を聞きながら、これからの防衛産業のあり方を提言する!
目次
第1章 これからの防衛産業(防衛産業をとりまく状況;購入と整備の逆転現象 ほか)
第2章 武器輸出と共同開発(安易な武器輸出・共同開発論議を警戒せよ;日本を元気にする輸出と共同開発を ほか)
第3章 諸外国の防衛産業(主要国の軍事産業の状況(二〇一〇年時点)
F35戦闘機を導入するための覚悟とは? ほか)
第4章 防衛産業をめぐる諸問題(「装備優先」か?「人優先」か?;技本と産官学の連携 ほか)
著者等紹介
桜林美佐[サクラバヤシミサ]
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、デイレクターとしてテレビ番組を制作した後、ジャーナリストに。国防問題などを中心に取材・執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てつてつ
2
軍備と書くと拒否され、国防と書くと少し許される、言葉のまやかしなのか、真意をどう説明すればよいのかが 国内的に必要ですね。もうひとつ、巻末の主要装備品の種類をみると、国内の会社で多くの備品が作られていることに驚きます、基本的な産業が順序よく発展しないと、ここまでは製造できないと思います2014/08/29
たかひー
1
★★★★ 防衛産業の最前線、新聞や報道ではうかがい知れない現実がよくわかる。プライドだけで日本の防衛を下支えしている企業には頭が下がる。もう少し日本は国防、防衛に目を向けるべき。2016/05/05
1_k
1
まあ、これが現実。若干、良く書いていただいている(もちろん、関連企業数千社の中には職業意識の低い、いい加減な企業もあるわけで)が、おおむね事実を事実として正しくレポートしている。というか、一冊の本のテーマがあって、それに合わせて情報を取捨選択するのも作者さんのワザマエのうちか。仕事上、桜林先生は何度か関わる機会があったが、官民ともに防衛業界とここまで良好な関係を保っているジャーナリストさんって日本では他に見あたらない。だからこそ、本書のような生の情報を得られるのだろう。技術報国。2013/07/22