感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sabosashi
5
日米の文化比較を試みて論じようとするひとは少なくない。この本は貿易摩擦という実践的課題を前にしての考察。執筆は30年以上も前のこと。以前のわたしたちは米国が一枚板であるかのように理解していたが、いまでは人種のるつぼでさえないことを知っているし、米国を中心とした多国籍企業こそがトラブルメーカーであることは周知。それでもこの著者は社会心理学というディシプリンを通してたしかな射程に基づいた論を達成している。文化摩擦といっても日米の場合は極端で、おなじく英米間でもまたは豪州との間でも大なり小なり見られるものである2016/03/21