内容説明
「赤ずきん」はよみがえらない!?「眠れる森の美女」には恐るべき第二幕があった!?物語の知られざる結末や真実がいま明らかに!
目次
1 待つことで失うものなし―『眠れる森の美女』
2 女の子は強く賢く―『赤ずきんちゃん』
3 好奇心と猜疑心―『青ひげ』
4 嘘とだましのテクニック―『長靴をはいた猫』
5 妖精は泉から蛇口へ―『妖精たち』
6 あこがれのガラスの靴―『サンドリヨン、または小さなガラスの靴』
7 あばたもえくぼ―『とさか頭のリケ』
8 みそっかすの知恵と孤独―『親指小僧』
9 恋人たちの迷い道―『ヴェルサイユ宮の迷路』
著者等紹介
末松氷海子[スエマツヒミコ]
1937年兵庫県芦屋市に生まれる。早稲田大学政治経済学部新聞学科卒業後、北フランスのリール市カトリック大学新聞学部に留学し、児童出版物の研究をする。帰国以来、大学などで講師を務めたほか、児童書の翻訳紹介を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
九月猫
27
少し前に読んだペローの「赤ずきん」が衝撃的だったので、記憶の新しい間にこちらも。9作のうち「ヴェルサイユ宮の迷路」は知らなかった。イソップを元にした恋愛の教訓話集だとか。他の8話は「赤ずきん」はじめグリムとの比較が中心で、他に時代の背景や類話、現代(近代)のパロディの紹介など興味深い。類話はともかく、パロディ本をことごとくネタバレしているのが気になったけれど、日本未発売のものもあるみたいなので仕方なしか。「サンドリヨン」のガラスの靴論争は有名だけど、毛皮説は却下!やっぱりガラスの靴でなくちゃ!と私も思う。2015/04/25
ゆき
23
ペロー童話集とグリム童話の読み比べの参考の為に。童話を読んだだけでは分からなかった時代背景や類似作品など参考になりました。2019/08/14
チュンセ
9
ちょっとづつ読んでいてやっと読み終えました。読んでよかったわぁ~2015/06/07
しろのあ
5
シンデレラだけでも、ペローとグリム版違いに驚くことがあります。これはペロー版を徹底研究しています。これで、グリム版ともう間違えない!それに、類話や現代の作家のアレンジなども豊富に紹介されており、気になるはなしが増えました。「妖精たち」(善い行いをした継子がしゃべると宝石と花が口からでてくるというやつ)の現代版「蛇口の妖精」なんて気になります。あかずきんちゃんの現代版「ミナ、好きだよ」とか。2016/03/21
芙由
4
ペロー童話の解説本。解釈というよりは、現代の翻案、古事記やグリム版のエピソードなど類話の紹介が多いライトな読み物。「眠れる森の美女」の「眠り」という呪いの二面性、「青ひげ」に出てくる猜疑心と好奇心の象徴としての「鍵」というモチーフ、このあたりが解釈として読み応えがあった。ペローの新訳を読んだ時に印象に残っていた「とさか頭のニケ」、個人的には好きだけど、結構批判されてきた異色作だったのだと知った。「赤ずきん」の派生については幅広く、日本語で読めないものまで紹介されているので貴重。2021/07/01
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