出版社内容情報
高齢・福祉社会に対応した森林・施設整備に向けて、ユニバーサルデザインの考え方と具体的な導入手法を初めて解説。林野庁が作成したガイドラインや欧米等の先進事例を紹介しています。
第1章 森林利用とユニバーサルデザイン
1 高齢・福祉社会に対応した森林利用
1.高齢者や障害者を取り巻く現状
2.高齢者の余暇需要の傾向
3.健康づくり等のための森林利用
2 ユニバーサルデザインとは ―その考え方とわが国における流れ―
1.わが国のバリアフリー化の取り組み
2.バリフリーからユニバーサルデザインへ
第2章 森林総合利用施設におけるユニバーサルデザイン手法のガイドライン
本指針の読み方
森林総合利用施設におけるユニバーサルデザイン手法の基本的な考え方
1 ユニバーサルデザイン手法の導入の必要性
2 ユニバーサルデザイン手法による整備の基本的な考え方
3 利用者に多様な選択肢を提供するための整備
4 利用者への適切な情報の提供による利便性の向上
5 ユニバーサルデザイン手法の導入にあたっての配慮事項
個別の施設における整備
<配慮の必須度の高い整備>
1 サイン施設
2 駐車場
3 トイレ
4 管理棟
5 遊歩道
6 休憩施設
7 水飲み場
<配慮が望ましい整事例―
1.森林公園におけるバリアフリー施設等整備に関するアンケート調査
2.代表的事例
らくらく登山道(大阪府)/赤沢自然休養林(長野県)/藤野むくどり公園(北海道)
3 今後の森林の新たな利用の方向―21世紀型森林文化と新たな社会の創造―(中央森林審議会答申)
急速な高齢化が進行している我が国では、様々な分野において、中高年や高齢者、そして障害者の方々に配慮した対応を進めることが、21世紀の大きな課題になっています。
この課題の解決に向けて、近年、ユニバーサルデザインという考え方が、世界的に広がってきています。ユニバーサルデザインとは、「すべての人が分けへだてなく利用できる」ことを目指す設計思想であり、幼児から高齢者までのあらゆる年代層や様々な身体条件をもつ人々の利用に対応できることを目的としています。我が国でも、文具・衣料などの日用品や住宅、公園、公共施設、交通機関など、多くの分野でユニバーサルデザインが見られるようになってきました。
本書は、このユニバーサルデザインを、森林及びその関連施設の整備を進める際に、どのように取り入れていけばいいのかについて、具体的な整備例の紹介とともに解説したものです。林野庁が1999年12月に公表した「森林総合利用施設におけるユニバーサルデザイン手法のガイドライン」を中心に、有識者の座談会や関連資料などを併せて収録し、今後の森林利用とユニバーサルデザインのあり方を考える際の参考になることを願って作成しました。
森林に親しみ、積