内容説明
あの敗戦から75年。時代は昭和、平成、令和と移り、戦争を知る世代は総人口の2割以下になった。戦禍の記憶と教訓をどう受け継ぎ、向き合っていけばいいのか。「史上最悪の作戦」と呼ばれるインパール作戦の犧牲者たちの遺骨が今なお眠る彼の地に立ち、遠く故郷を愛おしみ亡くなっていった下級兵士たちの慟哭を描く…。
目次
門前に立つ老人
インパール作戦
歩兵第六〇聯隊と佐藤分隊
分隊長・佐藤文蔵軍曹
師団結集地ウントー
ジビュー山系からチンドウィン河へ
三〇五六高地
アラカン山系における戦闘
ライマトル・ヒル攻防戦
戦場の団欒
大隊の全滅と敗走行
カボウ谷地
「生きて還るんじゃ」
「分隊長殿、チンドウィン河が見えます」
帰還