内容説明
平和、自由、民主主義、人権…を抑圧し歴史を逆流させる「復旧派」を告発。治安維持法によって逮捕されたものは数十万人、虐殺80人余、拷問・虐待・病気などの獄死1,617人、送検75,681人、実刑5,162人に及ぶ。憲法9条まもり、ふたたび戦争と暗黒政治を許さないために加害責任を明らかにする。
目次
第1話 大阪の特高官僚たち
第2話 戦後教育を歪めた者たち
第3話 戦後警察で暗躍
第4話 公安調査庁など弾圧機関には特高官僚
第5話 防衛庁の中枢は特高官僚
第6話 国の機関の主要ポストに就任―厚生省、労働省、恩給局、人事院、政府附属機関
第7話 地方政治や民間でも暗躍
第8話 特高官僚と勲章
第9話 特高官僚と公職追放
第10話 特高官僚(復旧派)の追及
著者等紹介
柳河瀬精[ヤナガセタダシ]
1932年岐阜県恵那市で生まれる。岐阜大学学芸学部国文科卒業・大阪市小学校教員・大阪府会議員(4期)大阪民衆史研究会会員・治安維持法国家賠償要求同盟大阪府本部会長。大阪市在住
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感想・レビュー
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KocmocKocma
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不屈の本棚①2022年9月 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟東京都本部の事務局長さんより紹介された。昨年の全国女性交流集会での小松さんのお話にもあったが、悪法として1945年に廃止された治安維持法だが、これを担って弾圧していた特高官僚は罪に問われたり加害責任を追及されたりすることがなかったばかりか戦後社会の中で権力側から離れることなく各界で出世していき、まさに「反動潮流の源泉」となっていく。(一方犠牲者たちに対しては謝罪も補償もないままである。)治安維持法体制の本当の意味での反省と清算が未だ求められる。2022/09/10
jntdsn13
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題の通り、特高官僚が戦後実に多種多様な方面に展開していったのを丹念に追った本。戦後史における特高官僚の位置づけ・意義・功罪といった記述を期待したが、そういったものよりは基礎資料的な淡々とした記述が続く。2021/10/08
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