内容説明
本書は、中世英文学の大詩人チョーサーが詩人としての修業時代に、自ら翻訳を手掛けたとされる、十三世紀仏文学の傑作。夢のアレゴリーの器に盛って「宮廷風恋愛」と「現実的性愛」という、中世の相異なる二つの世俗的恋愛観を詠んで、チョーサー文学の詞藻の泉源として、生涯その詩業に深く影響を及ぼした作品である。
目次
薔薇物語 前編(ギョーム・ド・ロリス)(詩人の夢;詩人は彫像のある庭園の城壁に来る;詩人は“悦楽”の園に入る ほか)
薔薇物語 後編(ジャン・ド・マン)(“愛人”は絶望する;“理性”が再び“愛人”を訪ねる;“理性”が“青春”と“老年”の比較をする ほか)
著者等紹介
瀬谷幸男[セヤユキオ]
1942年福島県生まれ。1968年慶応義塾大学大学院修士課程修了。1979年~1980年オックスフォード大学留学。現在、北里大学教授、慶応義塾大学文学部講師
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