感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobi
47
TASCHEN通じて芸術を言葉で語る文化の凄みを感じていたけれど、セザンヌもまた絵ではパッションが前面に出ているようでも、自身の意識的な取り組みを明晰に語っている。ゾラ、ユイスマンス等との手紙のやりとりも多い。理論的アプローチも徹底している。色彩の効果はピサロ等に学び、サント・ヴィクトワール山を描く時には地質学を勉強している。そんなセザンヌの絵に実はあまり惹かれて来なかったのに、最後の肖像画の庭師“ヴァリエの肖像”を見て心が揺れた。圧倒的な存在感。一旦開眼?すると、静物画の果物や壺も生き生きと見え始めた。2023/08/02
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