- ホーム
- > 和書
- > 芸術
- > 絵画・作品集
- > 絵画・作品集(西洋)
目次
厨房と宮廷の間で
権力の心理学
人間的なもののつりあい
錯覚と鏡像―描かれた謎
年譜と作品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobi
51
スペイン・ハプスブルグ王家の宮廷画家としての生涯を辿りつつ、ベラスケスの作品を見ていくのは記録映画を見るよう。世間とかけ離れた宮廷世界、矮人という不思議な存在など、17世紀のその稀有な世界を、彼は眼前に映し出してくれる。自分の気に入った風景等を画題とするのではなく肖像画など王の命を受けて描いているのに。宮廷画家になる以前のボデゴン(厨房画)の人物の個性豊かさにも魅入られてしまうが、宮廷画家以降の教皇イノケンティウス十世の眼光、アウストリア王妃の高貴さ、晩年のラス・メニーナスの謎めいた世界が取り分け印象的。2023/08/20
takakomama
5
20代で宮廷画家になったベラスケスは、道化の倭人を見下さなかった。ベラスケスが描くと、王族や倭人、どんな身分の人も人間性があらわになってしまう。2023/06/26
P-man
3
好きな画家ベスト3にランクインするベラスケスの画集。 宮廷に慰み者としてペットにされていた矮人を何人か描いているが、あるものは目に爛々と怒りを讃えある者は深い知性と諦観を感じさせる悲しい目をしており、あるものは歪んだ顔つきの奥に優しさを覗かせる・・・そしてベラスケスは彼らを軽蔑や見下していないのはもちろん、同情も憐れみもない、ただただ一切の差別・逆差別なく冷徹なリアリズムで描いている。それ故に、身体が歪なために人間として見做されない彼らの持つ精神が見事に描かれている。それは痛ましい程で、そして美しい。2015/05/15
medaka
3
『中野京子著/怖い絵2』で、何となく気になったベラスケス。最近読んだ同シリーズ3作目で、ガマン出来なくなり購入。丁度良い画集はないかと探していたところ、本書を見つけました。正直以前は【絵】なんてモノに、興味も知識も全くと言っていい程なく。そんな私に初めて画集を購入させる程、ベラスケスは【絵】というモノの素晴らしさを教えてくれました。本書と出会えてホント良かった。もっと色々な画家の作品も、知りたい!!と純粋に思うようになりました。2009/07/16
貴人
2
大好きなベラスケスの入門書。本物そっくりに書く人間は数少ないが、真実にを描く画家は彼くらいのものだろう。それはなぜか?まず第一はその筆致にあるだろう。後のゴヤにも受け継がれる、緻密に描くのではなく大胆に質感を描くという手法。第二に何者も水のような透明で知的な光を通して描くという姿勢にあるだろう。小人でも白痴でも、彼の手をへれば威厳と尊厳に満ちた永遠の物となる、おススメです。2014/10/12
-
- 洋書
- LA NUITEUSE