出版社内容情報
町かどの箱の上にいつも腰かけている80才のジムは、8才のデリーに、ゆり木馬号の船乗りだったころの話を語ってくれます。
およそ10~11才から
著者等紹介
松岡享子[マツオカキョウコ]
1935年神戸に生まれる。慶応義塾大学図書館学科を卒業。その後、渡米し児童図書館学を学び、当地の公共図書館に勤める。1965年帰国し大阪市立中央図書館に勤務。ほどなくして退職し、自宅で家庭文庫をひらき、児童文学の創作、翻訳、研究を続ける。1974年石井桃子氏らとともに、(財)東京子ども図書館を設立
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつばちい
31
船乗りのジムは毎日町かどにいて、みんなに愛されているけど特に子どもたちにはとても愛されている。ジムが不思議で楽しい昔の話をしてくれるからだ。デリーはそんなジムの80歳の誕生日にあるプレゼントをする。それはとっても素敵なプレゼントだった、、、。どのお話も面白いけど、とくにペンギンがジムを奥さんだと思っていた話と、海へビを撫でてやって金の輪をもらった話、土星が月を奪おうとした話、タラが肝油で波を鎮めてくれた恩返しの話が好き。2020/07/12
ヒラP@ehon.gohon
22
いつも町角にたたずんでいるジムの、船乗り時代のお話は唐突無形なホラ話ですが、本当に船乗り立ったの頃の思い出と、懐かしさがあって、人情味に溢れています。 その話を楽しみにしている、まだ8歳の純心な少年デリーとのやり取りがとても微笑ましく感じました。 ジムが80才の誕生日を迎えるラストが素晴らしいと思います。2020/06/29
シュシュ
22
ファージョンを読むとほっとする。80才のジムが町かどでミカン箱に座り、8才のデリーに語るお話の数々。それぞれの話が独特でバラエティーに富んでいた。ありあまり島、ペンギンのフリップ、月をみはる星、チンマパンジーとポリマロイが特によかった。家族のいないジムに対する町の人たちの接し方がとても温かい。ファージョンは、「本なしで生活するよりも、着るものなしでいるほうが自然にさえ思える。」といっていたらしい。私も本なしの生活は考えられない。2015/02/22
あたびー
17
ジムは引退した老水夫。町の人たちから愛されいろんなお下がりをもらっているジムは町角でみかん箱に座っています。ジムの話を聞きに通ってくるのはデリー坊や。ジムの話はあっと驚くトンデモ話ばかり。子供が夢中になる話とはどんな話かを、ファージョンはよく分かっているのです。揺り木馬号の航海で世界中を周り、南極から南の島からありとあらゆる所にジムは行きます。時にはダジャレ混じりのユーモアたっぷりに語られるお話の数々。英国人が海を愛する気持ちも伝わってきます。2019/11/03
ochatomo
13
船乗りだったジムの8つの話 挿絵アーディゾーニ氏 2001刊2016/02/22