内容説明
一九六七年発行のさ・え・ら書房刊「うたの心に生きた人々」を四分割した一冊。
目次
1 堺そだちのむすめ
2 恋のうた
3 みだれ髪
4 君死にたもうことなかれ
5 妻として、母として
6 黄金の釘
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
千穂
33
歌人与謝野晶子の生き様を茨木のり子が簡潔に表している。与謝野晶子については代表的な歌をいくつか知っている程度の知識しかなかったので、こんなに情熱的でエネルギッシュな人であったとは〜〜興味深い一冊となりました。2018/09/29
那由田 忠
18
茨木のり子死後発刊され、与謝野晶子の生き様を短い文章で生き生きと紹介する。「みだれ髪」が晶子の髪型と関連した彼女の思いが入った題名だと知った。「君死にたもうことなかれ」について、情熱と理性が同時にほとばしりでた作品で、幾何のように理路整然としている、ありあまる人間的情熱と「すぐれた詩法によって血をかよわせられているから」成功していると。しかし、この詩が「一民族の胸にほんとうに生き始めるのは」60年以上後の大戦後のことなのです。ただし、晶子の理路整然とした評論の紹介が少ないのが唯一残念なところ。 2018/03/19
かふ
12
茨木のり子は「わたしが一番きれいだったとき」で反戦詩を書いている。そんな繋がりだろうか与謝野晶子「君死にたもうことなかれ」でも個人の感情から社会へプロテスト・ソング(実際にはポエムだけど戦後オペラ化されたと)になる。君死にたもうことなかれ」を捧げられた弟は「駿河屋」を兄や昌子の代わりに継いで、妻を迎えて間もない青年で日露戦争に出撃するので、姉として新妻や母の気持ちをくんで詩を詠んだ。昌子は文学の道を進むというので父に勘当された身でその父の葬儀に迎い入れてくれたのが弟だった。一番仲の良い姉弟だった。2018/09/28
pom
2
晶子がこの歌を作ってもう60年という文があったので、え~っ?と確認したら元の文章は40年前に書かれていた。古びていない。子どもを11人産みパリから帰国したあとに生まれた子にはオウギュストと命名。なんと自由な人。2016/07/15
エビ
1
与謝野晶子について手軽に学べる本だった。どんな生い立ちだったのかについて触れながら、随所にその当時に発表された歌が数作紹介される形式で、歌を楽しみながら伝記としても楽しめた。この本を機に与謝野晶子さんの作品について詳しく学ぶ気になったので、個人的にはそのくらいわかりやすくて面白い本だった。2024/11/04