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内容説明
ユダヤ教のラビを目指していた父は、ナチスの大虐殺から逃れるため、ブロンドの髪と青い目を武器に、ナチス武装親衛隊に入隊した。ホロコーストの恐怖、ナチスの拷問、人間の悲しみ、戦争の矛盾を思索的につづった真実の物語。
目次
ノヴォグルデクでの死の選別
脱走計画
森の中へ
ネマン河を越えて
リダそしてヴィルナへの潜入
ソロク・タタール逗留
国境を越えてベルリンへ
血と土
ゲシュタポの呼び出し
武装親衛隊に入隊
解放
再び故郷に
パリ
ニューヨーク
著者等紹介
スケイキン,マイケル[スケイキン,マイケル][Skakun,Michael]
米国在住の小説家、翻訳家、回想録作者。米国ホロコースト記念協会の特別コンサルタントを務めた
小沢静枝[オザワシズエ]
東京外国語大学フランス語学科卒。東京銀行(現東京三菱銀行)外為勤務、ゲーテインスティテュートでドイツ語習得を経て、本作で翻訳家デビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
46
背表紙裏の言葉 父は『生きたい』という強い意志で、数多くの苦難を乗り越えて行った・・とある。素晴らしい作品そして翻訳。ユダヤ教に関し、知っている事が僅少 この本で 生きる教義に溢れているのを知る。決して薄いとは言えない1冊だが、内容が凄い。古今東西の文学は言うに及ばず、ユダヤ教典を随所で説いている。更に、ほぼ無知に近かった20C中期のソ連領の様子もよく伝わってくる。筆者の父はポーランド領であったノヴォグルデクという町に生まれ育ち、虐殺の運命の下に有った。ナチスになった部分より、いかにしてタタール人と~2019/02/01
スー
20
49ポーランド出身のユダヤ人だがブロンドの髪と青い目という容姿に恵まれていた事もありリトアニア人と認められ準アーリア人とされSS隊員に志願して認められ無事に戦争を生き延びたという嘘のような本当の話。筆者の父親は虐殺を逃れゲットーから脱走しタタール人と偽りベルリンで逃れゲシュタポをも騙し最後はSSの歩兵になるなんて本当に信じられない。SSになった後の話を知りたかったがほぼなくて少し残念でしたが中盤までの虐殺から命からがら逃げる緊迫感や家族や道中を共にした人達との別れの辛さはよく伝わってきました。2023/07/07
つちのこ
6
神学校に通いラビを目指していた青年が、ホロコーストを回避するためにユダヤ人らしからぬブロンドの髪と青い目を武器に、自らがナチス武装親衛隊に入隊するいう、奇想天外のノンフィクション。 主人公ヨゼフ・スケイキンの息子であるマイケルが、物心ついた頃から父ヨゼフに聞かされ続けた不条理な恐怖が語られている。ヨゼフの数奇な運命はハラハラ・どきどきの内容であるが、それ以上に目を覆いたくなるファシズムの極ともいえるナチの洗脳された集団心理と残虐行為に、怒りを覚えずにはいられない。(2002.12記)2002/12/18