内容説明
サンヴァラは、9世紀以降仏教界に展開した後期密教の巨大な宗教伝統であり、インドでの仏教滅亡以後も、チベットやネパールの仏教の重要な構成要素として現在も生き続けている。本書は、その重要性とは裏腹に、これまで本格的研究に乏しかったサンヴァラ系密教に関する初の包括的研究であり、数々のサンスクリット語写本等を通じ、この一大密教体系の重要な諸側面を、同時代のインド・ネパールのサンスクリット文化の中に位置付けながら紹介・論考した労作である。
目次
第1章 初期中世密教界
第2章 多次元的な聖地群の諸伝承
第3章 曼荼羅としての身体
第4章 外的な時間の輪
第5章 四輪三脈の多面的身体論
第6章 クリシュナ流の四次第
第7章 死兆と死のヨーガ
著者等紹介
杉木恒彦[スギキツネヒコ]
1969年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。文学博士。デリー大学とオックスフォード大学への留学、日本学術振興会特別研究員、東京大学COE特任研究員を経て、早稲田大学助教。専門は、南アジア密教文化研究、宗教学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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