内容説明
フライによるセザンヌ、ゴーギャンら「ポスト印象派」の「発見」は、同時に従来の伝記的、文学的批評との決別であり、純粋に作品の内的情報である「造型性」を核とした批評の開始だった。現代芸術批評のパイオニア、フライの中核理念=「フォーム」「エモーション」「センシビリティ」等の概念を、厳密な資料調査に基づき的確に跡づけるとともに、多岐にわたる社会活動と広範な理念を貫通するその思想の本質を、精細に追究・考察した労作。
目次
第1章 フライの思想の変遷
第2章 フォーム概念の成立
第3章 ヴィジョン概念の変遷
第4章 フォームの質―造形的な局面と心理的な局面
第5章 感受性の論理
第6章 社会的側面―同時代における位置づけ
著者等紹介
要真理子[カナメマリコ]
1966年東京生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程後期芸術学専攻修了、博士(2001年、文学)。立命館大学、京都造形芸術大学、大阪工業大学非常勤講師
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