内容説明
恵まれた経済条件、異文化中での子育ての軛、さらに日本人小社会特有の「保守的ジェンダー観」などの重積の中、女性自立の最先端国にありながら「伝統的主婦役割」を志向していた在米駐在員の意識は、ここ10年で一変した。昨今新たな装いで回帰してきた「専業主婦神話」「母親神話」に風穴を開け、女性問題に一石を投じる、著者積年の考察と実証的研究。
目次
第1部 理論編(先行研究の検討)
第2部 伝統的ジェンダー役割を保持するシステムの批判的検討(日本の家族システムと女性;日本の女子高等教育とジェンダー)
第3部 ロサンゼルスの日本人女性とその家族(日本人駐在員とその家族;日本人海外子女の異文化環境への適応)
第4部 調査研究編(研究方法;量的調査結果と分析;質的データ分析結果)
第5部 10年後のアメリカ駐在員婦人(駐在員夫人のジェンダー役割観の変容―トランスナショナリズムとグローバル化の進行のなかで)
21世紀を迎えての女性たちの新たな生き方
著者等紹介
山田礼子[ヤマダレイコ]
1956年生まれ。1978年同志社大学文学部社会学科卒業。1989年カリフォルニア大学ロサンゼルス校教育学大学院修士課程修了。1991年同大学博士課程修了。1993年同大学よりPh.D.取得。プール学院大学助教授、同志社大学助教授を経て、現在、同志社大学文学部教授。同大学教育開発センター副所長
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