出版社内容情報
近年の新たな研究成果を踏まえ、周知の造型面における革新の基底に潜む、その謎に満ちた内面世界を鋭利に読み解く。
内容説明
本書では、近代絵画の父と見なされたセザンヌ像について語りながらも、そこに留まることなく、近年、新しく捉え直されつつあるセザンヌ像についても述べていきたい。それはセザンヌという一個の謎である。この謎に挑戦しなければならない。セザンヌはつねに不可解な絵を描き、人々の反感や嘲笑を喚起したスキャンダラスなアーティストだった。こうしたセザンヌの特異的な性格を主題的に論じることにするために、1つ章を設けて解説している。
目次
1 近代絵画の父
2 エクス=アン=プロヴァンスの青春
3 揺れ動く魂
4 印象主義との出会い
5 新しい造形の創造
6 苦悩と成功
7 りんごの形而上学
8 キュビスムから見たセザンヌ
9 秘密のかたち
10 幻視のなかの水浴