内容説明
本書は中田教授が固有の意味を付与された「地域共同管理」という概念を共通のテーマとして、厳選された論者による論考を編集したものである。第一部において原理論がまず展開され、ついで第二部においては我が国における地域共同管理の具体的諸相と主体形成が実証をふまえて考察され、そして第三部では、アジアの国々においてコミュニティと地域共同管理がどのように展開されているかを、韓国とタイを事例として、検討している。全体として、現代社会が、「地域共同管理」という今後益々有効性を得るであろうと思われるキー概念を通して分析されている。
目次
第1部 地域共同管理論とコミュニティ(地域共同管理の主体と対象;地域共同管理論の位置と課題 ほか)
第2部 地域共同管理の組織と主体形成(地域社会の変容―変わるもの、変わらないもの;土地慣習の変容と地域共同管理―中川区富田町江松における鍬先権の事例 ほか)
第3部 アジアにおけるコミュニティと地域共同管理(ソウル市における同姓小グループの社会的機能;バンコクにおける地域社会開発政策の展開と地域住民組織)