内容説明
新組・新装でいま改めて世に問う日清・日露戦争と庶民。その追体験によって傷ついていく庶民が見え、近代化する日本の光と陰が見える。
目次
第1章 日清戦争(「小国」の焦慮;「義戦」の構造;軍国の狂躁)
第2章 「臥薪嘗胆」(栄華と悲惨;尚武と煩悶;北清の屍)
第3章 日露戦争(諜者の群;開戦の渦;兵士の相貌)
第4章 「愛国」の重荷(ああ増税;戦時下の村;深まる亀裂)
第5章 明治の秋(勝利の悲哀;病める「一等国」;荒廃の淵で)
著者等紹介
大浜徹也[オオハマテツヤ]
1937年12月8日周防大島に生まれる。1961年3月東京教育大学文学部日本史学科卒業。文学博士。女子学院、中京大学法学部、筑波大学(歴史・人類学系)を経て、現在、北海学園大学教授、筑波大学名誉教授
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感想・レビュー
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nnpusnsn1945
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日清戦争、日露戦争下の民衆史で、原題は『明治の墓標』として刊行されている。軍事史としてのみ読み解いても有効であり、日清戦争、日露戦争の戦場の実相(奉天会戦は衛生状態が芳しくなかった)や出征兵士の戦後なども見ものである。石光真清は『ゴールデンカムイ』の鶴見篤四郎中尉のモデルらしいが、情報将校は他にもロシアに潜伏しており、花田仲之助大尉は僧侶として娼婦(諜報活動にも寄与したが、本国から顧みられることはほぼなかった)を帰国させる活動も表向きの顔としてやっていたらしい。2024/01/27