出版社内容情報
「内容紹介」 ハプスブルク帝国を崩壊に導いた皇帝の役割と責任は?時代への対応を誤った多民族帝国の運命と、在位68年の皇帝の政治的障害を厳密に検証。古くて新しい問題「歴史における個人の役割」真っ向から挑戦する
(本書「監訳者あとがき」より)
ベラー氏は挑戦的な学者である。学問的な意味で挑発的と言ってもよい。その姿勢は最初の著書『ウィーンとユダヤ人』にすでに鮮明にあらわれているが、本書でもまた同じである。著者がここでどのような問題を提起しているかは、著者自身が日本の読者あてに書いてくれた「日本語版への序文」、そして第一章で明快に述べられているので、ここで繰り返す必要はないと思う。ただ、まだ本文を読んでいない読者が誤解しないように念のため記せば、ハプスブルク帝国の運命に関して皇帝フランツ・ヨーゼフが果たした役割とその責任を問う本書は、普通の意味の伝記ではない。フランツ・ヨーゼフの役割は、彼がその中にあって行為した政治と社会のコンテクストにおいてのみ把握されるものであり、従って、著者自身が書いているように、「フランツ・ヨーゼフの権力のプロフィールは、......」(以下略)
目次
第1章 歴史の中のフランツ・ヨーゼフ
第2章 伝統
第3章 絶対主義―1830‐59年
第4章 自由主義―1859‐79年
第5章 「やりくり」の政治―1879‐97年
第6章 晩年―1897‐1914年
第7章 死と変容
著者等紹介
坂井栄八郎[サカイエイハチロウ]
1935年千葉県に生まれる。1954年東京大学文学部西洋史学科卒業。同大学大学院およびマールブルク大学に学ぶ。ドイツ近代史専攻。東京大学教養学部教授を経て、現在、聖心女子大学文学部教授
川瀬美保[カワセミホ]
1966年三重県に生まれる。1988年聖心女子大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。現在、帝京大学附属放射線学校非常勤講師。専攻はオーストリア近代史
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感想・レビュー
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茅野
maqiso
Homma Takumi
sekaisi