出版社内容情報
人間はなぜ戦争をするのか? 人間本性にその起源を探り,国家や個人と戦争の関わりを考え,現実を見つめながら,「戦争はなくなる」と結論づける。原本は豊かな内容で知られるBBC放送の連続講演(1998年)
内容説明
「人間はなぜ戦争をするのか?」人間の本性にその起源を探り、さらに、戦争と国家、戦争と個人の関わりを考える。
目次
第1章 戦争と我々の世界
第2章 戦争の起源
第3章 戦争と国家
第4章 戦争と個人
第5章 戦争はなくなるだろうか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
14
単なる軍事史への誘いではなく、戦史から現代の戦争論にとって重要なテーマを検討し、一般向けに見取り図を提供しようとした入門的講義。人類学的な成果も意識しながら戦争の起源を語り、戦争と国家の関係、そして兵士のあり方まで、例外や歴史的変遷も強調史ながら、各テーマの再検討をしている。著者は、軍事史を通して養われた兵士の倫理、軍事文化に肯定的ながら、戦争は合理的に抑制し、なくしていくことが出来るとも主張している。戦闘の倫理史が、その戦闘への自己拘束的な感情や規範を生んできたのは注目すべきだろう2014/07/03
メロン泥棒
4
戦争を政治の手段と論じたクラウゼヴィッツは全体主義の行動原理となり邪悪であると批判する。一方、イギリスの行ったフォークランド戦争、湾岸戦争、湾岸戦争は合法的であり誇れるものであり、現実的に戦争と軍事力の必要性を訴える(著者はイギリス人)。しかしながら、国連が認めない戦争は行うことができず、外交と軍事力の展開によって戦争は避けられるようになり、核のコントロールも十分行えると楽観的。ちょっと批判的に読まざるを得ない。2010/09/25