内容説明
道標として現れて、進むべき道を教えてくれる28の建築。堀部安嗣がその空間に身を委ねたときの気持ちを、素直に言葉に置きかえた。独自の視点で捉えた写真をはじめ、水彩スケッチや手描き図面など、豊富なビジュアルとともに綴る。後半には、自作の設計から竣工まで43作品の試作錯誤の軌跡を記録写真や図面を交えてテーマごとに紹介。堀部安嗣の建築への思いが詰まったこれまでにない1冊。
目次
1章 私が影響を受けた建築(人間への眼差しの大きさ;コモンセンスの追求;時代を超える有用性と普遍性を表現した、建築の予言者;明るく芳醇なデザイン力によって切り開いた地平;森羅万象すべてを等価に扱うデザイン;私の建築の源流)
2章 私の試行錯誤の軌跡(初めて、ひとりで;本来の建築の役割を考える;記憶の継承;ずっと昔からあったかのように;庭から生まれる建築の多様性;静けさと光;「生と死」が共存する空間;人と建築と場所のつながり)
著者等紹介
堀部安嗣[ホリベヤスシ]
1967年神奈川県横浜市生まれ。1990年筑波大学芸術専門学群環境デザインコースを卒業。1991~94年益子アトリエにて益子義弘に師事。1994年堀部安嗣建築設計事務所を設立。2002年「牛久のギャラリー」で第18回吉岡賞を受賞。2007年~京都造形芸術大学大学院教授。2016年「竹林寺納骨堂」で日本建築学会賞(作品)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
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ponnnakano
5
もう、タイトルからして素晴らしく良いです。ため息が出ます。最近は、本当に共感できたり、心底いいなぁと思える本や作品に出会うと、悲しくなってしまうのだけど、この堀部さんの本を読んでもやはり悲しくなってしまった。困るな。2017/02/25
MH
2
学生時代に名建築のアールト、アスプルンド、カーン、ライトを学ぶため、読んでみたかった。建築が経年劣化することを拒むのではなく、あり続けることのすばらしさが、しみじみと分かりやすい言葉で感じられる。建築学科の学生さんに、まずおすすめです。2017/02/18
potato
1
最近気になっていた建築家の堀部さん。 日本の雰囲気を感じる建物、ごちゃごちゃしていない簡素さ、でもあたたかみを感じる空間を、どうやって考え出しているのかを知ることができた。 建築家視点の有名な建築の解説もわかりやすく、建築を見る視点を学ぶことができた。「堀部さんらしさ」もどういうところにあるかが理解できた気がする。 2021/10/14
すすむすすみ
1
建築家としての堀部安嗣をこれで知った。 本を読みながら好きな建築家の1人になった。施工業者と揉めたというエピソードがなんだか身近に感じられた。 土地とその特性や物語を継ぐ建築が好きだ。2021/09/25