内容説明
不況、省エネから「おしん」を経て経済大国日本へ。夢のTDL(東京ディズニーランド)、グリコ事件にロス疑惑。国際化と情報化の消費社会。成熟と終焉。一流作家・エッセイストによる、ごくありふれた日常の暮らしの〈昭和時代〉史。
目次
第1章 時代(過ぎゆく「昭和」;殉死について考えた ほか)
第2章 衣・食・住(初穂―HAマンション;赤提灯にみる高性能手仕事キッチン;佐渡ヶ岳部屋のチャンコ長;ファッション時代のシーラカンス ほか)
第3章 社会・世相(東京現象;カプセルホテル;丸山ワクチン;ウォークマン考;新幹線では寝てはいけない!;慶応ガールの時代;タクシードライバー日誌;女の長電話;おかしなおかしな日 ほか)
田沼武能の写真―50・60年代
広告の50・60年代―成熟時代の広告コピー
生活文化年表 50・60年代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
9
昭和50~60年代の世相を、当時のエッセイや広告から読み取る一冊。昭和天皇崩御、東京ディズニーランド開園、ウォークマンの販売など。ところで、相撲界の悪習が意図せず取り上げられていて面白い。飯をあまり食わない新弟子には、「これくわな、てめえ殺すぞ」と言って無理やり食わせる。「博多おびをしめることができるのも(中略)三段目以上、そいう階級制度の中にけじめがある。封建的かもしれないがここは教育の場なんです。くやしかったらえらくなれってことです」という発言が普通に出てくる。今なら、それ教育ですかって話だと思う。2022/06/13