出版社内容情報
半世紀以上に及ぶ戦後日本の〈核開発〉。そこに否応なく巻き込まれてきた下北半島でそれぞれに格闘してきた10名の〈生きざま〉と〈語り〉を丁寧に紐解き、この〈歴史と今〉を多角的に照射した稀有な好著!
寺西俊一(一橋大学名誉教授/環境経済学)
福島原発事故による放射能汚染のために、二度と戻れない故郷を作ってしまった私たちは、今後何を選択すべきなのか。本書の核開発に翻弄された歴史を学びとして、次世代への責任をはたさなければならない。
上原公子(脱原発をめざす首長会議前事務局長)
「核半島」とも呼ばれる下北半島――そこで呼吸をし、暮らしを営み、ものを考え、仕事や活動をしてきた普通の人々は何を思うのか――。
3.11後の2011年7月から下北半島に入り、現地で暮らす人々の証言を記録し、調査を重ねた執念の共同研究の成果。下北半島における核開発の歩みをふりかえるとき、今を生きる私たちに問いかけられる問題とは何か?
内容説明
核開発施設がひしめく下北半島。そこに暮らす普通の人々は何を思うのか―。3.11後から現地調査を重ねた執念の共同研究。
目次
第1部 核開発の始動(原発に消えた学校―もう一つの「ふるさと剥奪」の履歴;ぼくの町に原子力船がきた―「騒動」としての核開発;教師として地域に生きる―「生活台」としての東通村・白糠)
第2部 核開発の浸透(地域における自由な対話は、どうすれば可能か―他者の思いによりそう民主主義;激変した生まれ故郷で変わらない暮らしを残したい―六ヶ所村に戻り住み続ける理由;沈黙から、語り合いへ―一発勝負で終わらない下北半島の作り方)
第3部 核開発の転調(中間貯蔵施設になぜ反対し続けるのか―不可視化への抗いと市民の記録;“独りよがり”をめぐる葛藤―核開発地域における教育改革;能舞をつなぎ、白糠で生きる―暮らしの主体であり続けるために;「原発“も”あるんだよ」から「廃炉でもいいんじゃね?」へ―変わらずに変わってい行く)
著者等紹介
安藤聡彦[アンドウトシヒコ]
埼玉大学教育学部教授。1959年生まれ
西舘崇[ニシタテタカシ]
共愛学園前橋国際大学国際社会学部准教授。1978年生まれ
川尻剛士[カワジリツヨシ]
山口大学教育・学生支援機構助教。1993年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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