出版社内容情報
川と遊ぶようにして生計を立てていた一人の川漁師が描いた、詩情あふれる生物誌。
川と生き物、人のかかわりの移り変わり。「四万十川とは『良い環境への期待』の代
名詞でもある」(「朝日新聞」天声人語)。1万部突破のロングセラーが装いも新たに
再登場。
私の職場のいきものたち
うなぎのこと/コイのこと/フナやコイの仲間のこと/アユのこと/アメゴのこと/ハゼのこと/カジカ、カマキリのこと/ナマズのこと/ドジョウのこと/メダカのこと/チヌのこと/スズキのこと/フグのこと/ボラのこと/エバのこと/ヒイラギのこと/コノシンロのこと/シマイサキのこと/その他の汽水魚のこと/珍魚、稀魚のこと/その他の動物のこと/水に縁のある鳥のこと/ヘビの仲間のこと/カエルの仲間のこと/貝の仲間のこと/水生植物のこと/アオノリのこと/ヒトエグサ(アオサ)のこと/オゴノリのこと
大河のほとりにて
生い立ちの章/青春の章/戦雲の章/泰平の章/寂滅の章
遙かなる道
はじめのころ/くらしとあぞび/流れをひとつに/遙かなる道
内容説明
一人の川漁師の手になる生物誌または一代記として、出色な書物。生をうけてから七十年あまりの大部分を四万十川という恵まれた大河のほとりで、自然を愛し、川漁師に夢と希望を持ち続けた人柄が各処ににじみ出て、みるみるうちに著者の世界にひきこまれる。著者はよき川漁師となるには魚など生き物を正確に観察することだと知り、二十五歳ごろには河口のデルタの中に小屋を建てて、四六時中、生きものと生活をともにする。以後、生きものを見る著者の眼力は確かである。加えて生来の読書好きで必要とあれば専門書をあさり、専門家の門をたたいて正しい認識を得ることに努めた。体験の単なる集積はときに偏見を生むが、本書に関してはそのような危険は全くない。生物誌にはアユの産卵などぴかりと光る記事があるかと思えば、「ナマズのタタキ料理」や「ゴンズイの毒消し」「ゴリの肝きった」などユーモアもあって硬軟折りまぜて十分に楽しませてくれる。
目次
私の職場のいきものたち(うなぎのこと;コイのこと;フナやコイの仲間のこと ほか)
大河のほとりにて(生い立ちの章;青春の章;戦雲の章 ほか)
遙かなる道(はじめのころ;くらしとあそび;流れを一つに ほか)