内容説明
本作品は、1990年フェログラムリー・ゲイ・フィクション賞を受賞した出色のゲイ・ラヴ・ストーリーである。パンクに共振し、若き画家を気どるジョン―。マリファナをきめ、スーパースターになりきろうとするデイヴィッド―。硝子細工のような自分を持てあまし、トリップした世界を浮遊するジョージ等々。鋭敏な感性を走らせる少年たち。そんな主人公たちが繰り広げる、儚くも過激な性の風景の数々。彼らを虜にする悦楽の行方は?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Erika
1
この著者の他の作品を読んだ時に感じた異様な空気、エログロ、掴み所の無さ等は健在。死に取り憑かれた白昼夢を見ている感覚になる。ふわふわと何だかよく分からなくなる。バロウズの本を読んだ時もこんな感覚になった気がする。不思議。2021/07/11
徹michi
1
あまりにもアングラで馴染みのない世界、そして死が描かれていた。ロックやパンクの世界観を感じたが、あながち間違っていなさそうだ。軸となる人物とそれを取り巻く人間達のお話で、章毎に相手が変わる構成。軸があるにも関わらず、その周辺はとても脆い鎖で繋がっているかのようで、読んでも読んでも、もやもやする。章の間を自分で想像できてしまう位の点の繋がり。まぁ、自分にはそんな技量はないが。一人称と三人称がいったりきたり。普段本を読まない自分。何度も読み返した理由はここにもありそうだ。2012/07/17