内容説明
山青き神の国・日向高千穂。文明のふるさとは〈鎮守の森〉にあるとする独自の神道的世界観や、重要無形文化財「高千穂神楽」の解説を通して、神話の魅力や人間が自然と共生する思想の大切さを、やわらかな筆致で展開。
目次
第1章 神道の世界観
第2章 神話と鎮守の森「鼎談」
第3章 折々の記「神国の民として」
第4章 古代日向と高千穂伝説
第5章 高千穂夜神楽
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ただぞぅ
7
古代から自然に大きな神の力を感じ、畏敬してきた日本人の世界観。神道の神は超越神や人格神以外に山や海等、常に自然の中に宿っている。そして稲作文化により村、国を作り上げてきた日本。食糧の安定した供給と水害から国土を守ってくれる防災としての役割を水田は果たしている。日本の文化や、社会倫理は農耕生活の中から生まれてきたもの。稲作りの歴史の中から勤勉さ、我慢強さ、行動力を身に付け、天地自然や、神々に対し敬虔な生き方を学び近代化の発展をもたらしたことは言うまでもない。自然を背景にした神話があるのも納得した。2022/08/18