内容説明
大陸の銅鏡は朝鮮半島を経てどのように日本に拡散し受容されたのか。日中韓の銅鏡観察をもとにその様相を解明し、東アジア的視野から列島の弥生時代社会を再検証する。
目次
序章 弥生時代の銅鏡研究と本書と課題
第1章 漢代の銅鏡と日本列島への拡散(漢・三国・西晋期における銅鏡副葬の展開;技術的視点からみた漢鏡の製作時期;微細痕跡からみた「伝世鏡」の検討;平原遺跡1号墓出土鏡の評価;日本列島における漢鏡拡散の展開)
第2章 〓製鏡生産と破鏡利用の展開(小形〓製鏡の分類と編年;製作技法からみた小形〓製鏡の製作地;小形〓製鏡の拡散と社会的意義;破鏡利用の開始とその展開;画文帯獣鏡の破鏡をめぐって;破鏡としての小型〓製鏡の拡散)
第3章 漢代における銅鏡の保有とその意義(漢代の銅鏡使用;漢代諸侯王墓・王后墓の鏡副葬と階層性;中・下級官人墓における漢鏡の副葬)
結章 銅鏡と弥生社会
著者等紹介
南健太郎[ミナミケンタロウ]
1981年長崎県生まれ。2004年滋賀県立大学人間文化学部卒業。2006年熊本大学大学院文学研究科修了。2008年日本学術振興会特別研究員。2009年熊本大学大学院社会文化科学研究科修了。博士(文学)。2010年宮崎県埋蔵文化財センターを経て、岡山大学埋蔵文化財調査研究センター助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遊動する旧石器人
2
2019年4月17日発行。南健太郎氏が2008年度に提出された博士論文を基にした1冊。銅鏡の観察から判断される製作技術やマメツの有無などの認定については、南氏の観察眼が発揮された内容である。既に南氏の観察眼の一部を自身の研究に取り入れているが、まだまだ自身の観察眼の養いが足りないと実感する。ただし、本書で扱われた漢鏡に関しては、文様論などからももっと迫れる部分があるように感じた。小形仿製鏡に関しては、不勉強の致すところではあるが、観察結果から、破鏡の取り扱いがその鏡の製作地でやや異なることは興味深かった。2019/10/24
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