出版社内容情報
明治維新後の地租改正により成立した近代的土地所有をめぐり、その成立経緯と社会的実相を追跡。近代的土地所有の財政的機能を探求。
内容説明
現在の土地所有のあり方は、明治国家のもとで為された地租改正に端を発する。近世のそれとは根本的に異なる近代的土地所有制度が、いかなる経緯をもって成立し、いかなる社会的影響を及ぼしたか。著者は簡潔かつ平易に解説する。
目次
第1章 明治維新の土地問題(明治維新の土地問題;近世日本の土地制度;明治維新論の展開;領知の解消過程;所持の構造とその場棄)
第2章 地租改正(地租改正の提議;壬申地券の交付;地租改正法の制定;改租事業の展開;関東の地租改正)
第3章 地租改正の結果と修正(地租改正の結果;地租条例の制定;地押調査と特別地価修正;土地登記制度への移行)
第4章 近代的土地所有権の確定と位相(立憲政体と土地所有権;皇室財産創設と地租改正見直し論;帝国憲法と土地所有権;土地国有論の出現;割地慣行の存続と耕地整理)
第5章 地租と明治国家(地価と地租の変遷;地租と明治国家の終焉)
著者等紹介
奥田晴樹[オクダハルキ]
1952年東京都に生まれる。1976年東京教育大学文学部史学科日本史学専攻卒業。2004年博士(史学)(中央大学大学院文学研究科)。金沢大学教育学部教授・同附属高等学校長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rbyawa
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e043、江戸時代から明治の新政権になって、土地所有の概念がだいぶ変化した時に、果たして実態はどうだったのかということを語った本、という認識でいいのかな? この頃あれなんですよね、税金が「地租」、土地所有者からの取立てに限られていたのでそれでまたいろんなところでいろんな揉め方をするんですが、どうも、各藩で対応が違った上に、そこからさらに村単位でもかなり差異があったと考えたほうが妥当という結論になってしまっていたんですが、そこの分析に関してはまだちょっと途上でしょうかw 要は江戸の頃からの差異なんだろうね。2014/02/12