内容説明
遺跡の総合ガイドブック!「地域の個性をあらわすすシンボル」「未来を見通す望遠鏡」である遺跡の過去・現在・未来を、最新の発掘データをふまえ、一冊に凝縮する。
目次
プロローグ 平安時代の宇治はおもしろい
1 藤原氏と宇治
2 浄妙寺を発掘する
3 平等院を発掘する
4 金色院跡を発掘する
5 宇治のまちを発掘する
エピローグ 宇治の遺跡群の地平
著者等紹介
杉本宏[スギモトヒロシ]
1956年、愛知県生まれ。龍谷大学文学部史学科仏教史学専攻卒業。現在、宇治市歴史資料館文化財保護係長・龍谷大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chang_ume
7
非常に面白かった。宇治市街遺跡を核として、広域的かつ近似的性格を思わせる「宇治遺跡群」の総体。そして出土遺構と遺物から浮かび上がった「藤原摂関家の歴史動態」について。河内系瓦生産や平等院など寺社造営を通して、藤原摂関家が院権力と対峙するかのように建設していった巨大都市「宇治」のスケール感です。また本書内容の延長として、宇治都市化の画期である12世紀前半が藤原忠実の宇治蟄居と重なっており、その間の当該地開発の充実、さらには藤原摂関家にとっての一種のアジールとして宇治が繁栄したのではと想像がふくらむ。2019/02/10