内容説明
地下鉄日比谷線の大事故に遭遇し、凄惨な光景を目のあたりにして「カメラを持ってなくてよかった」とつぶやく浅井秀美の眼。喜びも哀しみも包み込むあたたかさ。人と暮らしのユーモアを写し取った作品は、「元気で生きようよ」とうれしい声をかけてくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
1
カメラなくてよかった 日比谷線事故 友の大切さ 写真語る 明晰 曖昧さなし 居るべき位置 確固存在 雰囲気 気遣わず写す 思い上がらぬ精神 渋谷 公衆電話 絶望オーラ ピカピカ10円玉おまじない きっと誰かが見ている 被写体への優しさ 人柄がなす技 絵画収集 真摯 高雅 眼力の高さ 写真へ 新橋ビル化 記録始点 移りゆく東京 人間社会 人間の街 出会い記録 歴史記録性からの孤独 ありのままの人々 人生見つめる記録 寡黙 人間味 好きな本しか作らず 近作下町 自己納得 写真家のあり方2025/04/24
ハヴィチ
0
1967年から2000年までの東京の人々が写されている。舗装されていない道路にしゃがみ、うどんをすする乞食。靖国神社で正座をする元兵士。深夜、公衆電話に居座る少女。携帯電話で会話しながら改札を走る婦人。犬と一緒にプリクラを撮る人。終電を逃した泥酔するサラリーマン。渋谷のヤマンバギャル。"時間"が写真に写っている。切り取られた一瞬の写真の中から、今を生きる私の所まで時間が繋がっている。あの頃の未来は今ではもう過去となり、まもなく未来も現在となる。私自身もこの本の一頁であるような不思議な感覚に陥る。2017/01/13