内容説明
東京のみならず日本中を巻き込んだ築地市場の豊洲市場への移転問題。あの騒動は一体、何だったのか。小池都政最大の謎を、当時、知事の言動をつぶさに見聞した元東京都管理職が小池知事の肉声を交えて解き明かす驚愕の内幕。ブレまくる知事、暗躍する知事側近、錯綜する関係者の思惑…市場移転問題の真実はどこだ?
目次
第1部 パンドラの箱(二〇一六年八月から一二月まで)(小池百合子、崖から飛び降りる;ドクターK;地下空間劇場 ほか)
第2部 反転と反撃(二〇一七年一月から六月まで)(激震;百合子コール;安全より安心 ほか)
第3部 続く余震(二〇一七年七月から二〇一九年三月まで)(千客万来;無害化を無害化せよ;嘆息日 ほか)
著者等紹介
澤章[サワアキラ]
1958(昭和33)年、長崎生まれ、静岡経由、神奈川育ち。一橋大学経済学部卒、1986(昭和61)年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。現在、(公)東京都環境公社理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
47
いや、本当に役人さん?というぐらい歯に衣着せぬ語り口です。でもね、嘘がないです。当事者ですからね、夫から色々話は聞いています。閉めた後の築地のエピソードはちょっと辛かったなあ。卸売りの人たちと政治家と、色々な思惑。全部が良く見える人が市場感覚でさくっとゆりこさんらを斬るのは痛快です。著者はこの本を書いてクビになったとか。でも、この本は少し私憤が過ぎるかな。決して読みやすい内容ではありません。ただ嘘のないことばだと感じました。2023/10/03
とみやん📖
11
小池都知事が当選した後、半年程度は随分とワイドショーでも取り上げられたが、今となっては祭の後の感が堪えない。国内最大の消費地の食の安全に関わることなので、関心が高いのは分かるがわずか3.4kmの移設のために、昭和平成と長きに渡り、大勢の関係者との気の遠くなるような調整を要した事実は、政治及び行政の仕事の困難さを否が応でも感じさせる。舞台裏も含め、具に記録した本。2020/04/05
tenorsox
4
現都知事小池の就任後から移転完了までの紆余曲折を時系列で追ったもの。TVや週刊誌を賑わせた諸々の局面を振り返りつつ、それらの裏でどのような駆け引きや打算があったのか、小池が何を優先し何を無視し何をして何をせず何をしたふりをしたのかを、都庁職員(当時)の立場から客観的事実と多少の偏見のもとに丁寧にまとめている(軽薄に過ぎた二匹目「ハダカの東京都庁」に比べればかなりマトモ)。悪者キャラが多く敵(小池)の敵も結局敵なのが都議会のユニークなところ&著者が珍しく小池に賛意を示した「排除に同意」には激しく同意。2022/07/10
めぐ
4
市場移転から3年、ゴタついてなかなか移転しなかった記憶はあるが結局何だったの?と蓋を開ければ都庁元幹部が多分に私怨を織り交ぜて一部始終暴露しており、主に小池知事に振り回されておりましたという内容。この小池氏、一切空気を読まず高慢で見てくれは華やかといった海外に住んでいた人間にありがちな特徴に加えて日本人らしい曖昧な物言いと保身ばかり最優先のパターンがミックスされて何とも傍迷惑なキャラクターだが、巷では持て囃されていたりして周りは堪ったもんじゃないよなぁ。近頃の自宅を病床発言等々で流石に猫の皮も剥がれた印象2021/07/29
ナリボー
3
6/10 市場移転問題の内情を当時の都市場卸売市場次長が書いた一冊。多くの利害関係か絡む中でいつ誰が何をどんな思惑で行動したか、というのが筆者の想像も含めて書いてあって読み物としては非常に面白かった。全体としては小池都知事にこれだけ振り回されました、ということが書いてある印象だが、私情が多く挟まれており冗長なのが読みづらかった。マスコミ報道のいい加減さにはつくづくウンザリ。2021/04/06