内容説明
西洋音楽に大きな業績を残しながらも本邦ではあまり知られていない偉大な音楽家の全貌がここに!12歳でワーグナーの『リエンツィ』初演に接し、すっかりワーグナーに心酔し、法律家にという親の希望を押し切って音楽家の道を歩み始めたハンス・フォン・ビューロー。やがて『トリスタン』『マイスタージンガー』の初演指揮者に。そしてその後のワーグナーとの悪夢のような関係。どちらも音楽史上に名を残す重要なエピソード。音楽家としては超一流で、今日のような指揮者という職業の地位を確立させ、存亡の危機にあったベルリン・フィルを世界最高のオーケストラに育て上げたビューロー。ピアニストとしては、チャイコフスキーのピアノ協奏曲を初演し、ベートーヴェンの晩年のピアノ・ソナタをまとめて演奏する慣行を始めたビューロー。音楽に対しての真摯な態度を一貫して持ち続け、今日では常識となった視点を導入した先駆者ビューロー。改めて再評価したい。
目次
1 パルナッソスの坂道で 1830年~1869年(若き日々;ヴァイマルのリストとともに;成長するピアノの名手 1853年~1855年 ほか)
2 頂上に向かって 1870年~1880年(フィレンツェのビューロー;初めてのイギリス演奏旅行とその後 1873年~1875年;初めてのアメリカ演奏旅行 1875年~1876年 ほか)
3 山頂からの遠望 1880年~1894年(マイニンゲン時代 1880年~1885年 (1)マイニンゲンの奇跡
マイニンゲン時代 1880年~1885年 (2)マリー・シャンツァーへの思い入れ
マイニンゲン時代 1880年~1885年 (3)栄光への小道 ほか)
著者等紹介
ウォーカー,アラン[ウォーカー,アラン] [Walker,Alan]
1930年、英国ノース・リンカンシャー州スカンソープ生まれ。ギルドホール音楽演劇学校とダラム大学でピアノと音楽理論を専攻。1961年から1971年までBBC放送局音楽部門のプロデューサーを務めたあと、1971年よりカナダのオンタリオ州ハミルトンにあるマックマスター大学音楽学部の教授に就任。1995年より同大学名誉教授。主著は25年かけて執筆した全3巻の浩瀚なリストの評伝。他にもシューマンとショパンに関する著作がある。この3人の作曲家については、カナダ、アメリカ、イギリスで定期的に講演活動をしてきたが、現在でもYouTubeにチャンネルを開設し、リストやショパンに関する動画を公開している
最上英明[モガミヒデアキ]
1959年、宮城県仙台市生まれ。北海道大学大学院文学研究科修士課程修了。独語独文学専攻。香川大学名誉教授
今岡直美[イマオカナオミ]
1945年、愛知県豊川市生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。英米文学専攻。元香川県明善短期大学教授。元香川菊池寛賞選考委員。香川国際文化協会副会長、香川国際日本文化会世話人。1979年から2016年まで香川大学非常勤講師
太田眞理[オオタマリ]
1957年、香川県高松市生まれ。神戸女学院大学文学部卒業。徳島文理大学大学院博士後期課程単位取得退学。英文学専攻。CELTA取得(2015年4月)。四国学院大学文学部教授
渡邊恵子[ワタナベケイコ]
1941年、山口県防府市生まれ。東京女子大学文理学部英米文学科卒業。米国ピッツバーク大学大学院英語教育学科修士課程修了。四国学院大学専任助手、東京女子大短期大学部専任助手、恵泉女学園短期大学専任講師を経て、大阪女学院短大、樟蔭東短大、徳島大学、徳島文理大学で非常勤講師(2013年3月まで)
川成洋[カワナリヨウ]
1942年、北海道札幌市生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。法政大学名誉教授、一橋大学社会学博士、アジア・ユーラシア総合研究所評議員、武道家、書評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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